保険医協会の「主張」脱原発と自然エネルギー
東日本大震災から4カ月が経過した。
しかし、政治の混乱のため復興への歩みは極めて遅い。
しかも、人災である東電の福島原子力発電所の事故は、楽観できる状態になっていない。
更に、放射能汚染問題は、内部被ばく、晩発障害が徐々に問題になってこれから拡大していくと思われる。
今回、福島第一原発から放出された放射性物質は、4月の段階で「チェルノブイリの1割程度」と発表されている。
専門家によれば、すでに広島原爆80発分の「死の灰」が飛び散ったことになる。
しかも、まだ放射能は漏れ続けているので、最終的にはもっと増える可能性がある。
2005年のアメリカ科学アカデミーの電離放射線の生物学的影響に関する委員会によれば、被曝のリスクは低線量にいたるまで直線的に存在し続け、しきい値はないとのことである。
原発は一旦事故が起こると、コントロール不能となって大量の放射能が飛び散ることになる。
更に重要なことは、使い終えた核燃料を再処理することができないことである。
地震国日本には、原発に適した地はないのである。
以上より、日本もドイツと同じく脱原発に踏み切り、段階的に自然エネルギーに変えていくことである。
再生不可能な資源(石油、石炭、天然ガスなど)は、まさに希少であるがゆえに、それらをコントロールする者に相当の権益をうみだしている。
そのため、再生可能なエネルギーを開発する試みは、すべてこれらの権益を脅かすことになる。
原子力発電の場合も全く同じ構造である。
原子力発電推進者らは、政治家、官僚、電力会社、学者、マスコミらで原子力村といわれる強固な原発利益共同体をつくっている。
これまで、税金や電力会社の豊富な資金で、安全、クリーン、安いと宣伝し、事故隠しを平然とおこなって原発政策を推進してきた。
また、反対派の言論を抹殺し、権益をまもってきた。
これらに対抗して自然エネルギーに変えていくには、国民が子孫のためにクリーンな地球を残すという強い信念を持って結集することである。
東日本大震災をきっかけに、安全で安心して住める国作りのためには、「脱原発」に踏み切るべきであり、安全な電力体制を作ることである。
そのためには、電源を分散させ、発電と送電を分離することである。
さまざまな発電業者が公平に参入できる送電網やスマートグリッド(次世代送電網)が不可欠である。
再生可能エネルギーは、風力、太陽光、水力、波力、地熱など安価で無尽蔵にあり、人間の力でエネルギー源をコントロールできる。風力や太陽光発電は市場規模を増やすことで、コストがどんどん下がる。
また、ごみの最終処分場から発生するガス、廃木材・麦わら・菜種油などのバイオマスガスは、化石燃料と違って二酸化炭素増加につながらない。
日本は、ごみの収集・処理をする廃棄物部門は地方自治体、送電をするエネルギー部門は民間の電力会社と別々である。
廃棄物を資源として効率よく、且つ積極的にさらに推し進めていくために、エネルギー政策部門と環境・廃棄物部門を統合して総合的に政策を決めていく必要がある。省庁間の垣根を取り除くことが重要である。
資源がないと思っていた日本であるが、廃棄物さえ資源になるのである。
再生可能エネルギー部門に新たなエネルギーを注ぎ、世界をリードするように政策を転換することが必要であり、今がチャンスである。










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