懲りない診療報酬の不正請求の事例
○ 全額公費負担の生活保護受給者の医療扶助を巡り、大阪市の12区の保健福祉センターが2008年度、不正・過誤請求の疑いのある診療報酬明細書(レセプト)計12万9025件の点検を怠っていたことが、市の調査でわかった。
うち294件1066万円が、実際には不適切な請求だったことが判明し、医療機関側に全額返還させた。
一部のセンターではこうしたずさんな審査体制を過去、数年間続けていたとみられるが、関係資料の保存期限は1年で、追加調査が困難な事態となっている。
生活保護受給者は、同センターが発行する医療券を医療機関に持参すれば、医療費が全額公費で賄われる。
医療機関側は、医療券に記載された情報を基にレセプトを作成し、市に診療報酬を請求。市は、不正・過誤請求防止のために、電算処理システムでレセプトの受給者番号の誤記などを自動的にはじき出してエラーリストを作成し、それをセンターに戻して診療記録と照合させる仕組みをとっていた。
○ 診療報酬の不正請求の疑いがあるにもかかわらず、行政の監査を拒否したとして、東海北陸厚生局は9月1日、津市上弁財町の「錦歯科医院」に対し、今後5年間の保険医療機関指定の取り消し相当、錦秀和院長(55)に対しても5年間の保険医登録の取り消し相当を決めた。
同局によると、錦歯科医院に対し、07年11月ごろ、「不正請求の疑いがある」との通報が同局にあった。
患者などへの聞き取り調査の結果、患者38人分の診療報酬について、計約43万5000円の不正請求が判明した。
行っていない治療を偽装するなどした診療報酬の水増し請求が行われたとみられる。
3度にわたって出頭を要請したが、監査に応じなかったという。
○ 北海道厚生局は9月6日、診療報酬を不正請求したとして、札幌市豊平区の渡辺歯科医院と渡辺澄子歯科医師(84)に対し、保険医療機関の指定と保険医の登録をそれぞれ取り消すと発表。
取り消し期間は4日から5年間。
同局によると、渡辺医師は2008年1月から09年12月までの約2年間にわたり、患者14人に対し、来院していないのに診療したように装ったり、実際はしていない診療を付け足すなどして診療報酬約278万円を不正に請求した。
○ 四国厚生支局指導監査課は9月6日、不正・不当な診療報酬請求があったとして、健康保険法に基づき「大月耳鼻咽喉(いんこう)科医院」(坂出市富士見町1)の元保険医療機関指定と、大月祐之介元院長(78)の元保険医登録を7日付で取り消し相当と発表した。
大月元院長は高齢などを理由に、医院の廃止と自らの登録抹消を申請、1、2月にそれぞれ廃止、抹消された。
同課によると、1、2月に同医院を監査し、患者37人について05年1月から09年12月の診療報酬明細書292枚を調べたところ、うち33人の123枚について、不正・不当な請求があった。金額は対象分だけで計約93万円。
不正請求では、レントゲン撮影など、実際にしなかった診療行為をしたように装い、水増し請求。
カルテやレセプトが改ざんされており、若い患者なのに総入れ歯であるなど、明らかに別人のレントゲンフィルムが添付されていたケースもあったという。
改ざんは、母子医療などで自己負担金が発生せず、自身では気付きにくい患者が対象だった。
○ 近畿厚生局兵庫事務所と兵庫県は8月13日、加西市で整骨院を営む柔道整復師(34)が、無資格者に施術(治療)をさせるなどし、医師の診療報酬に当たる「柔道整復施術療養費」を不正受給していたとして、保険給付請求の資格を5年間停止する処分にした。
柔道整復師は2002年に整骨院を開業。無資格のアルバイトら男女計9人に治療をさせたほか、肩こりなど療養費の支給対象外の症状への治療を、支給対象の症状への治療のように装い、療養費を不正に請求していたという。
兵庫事務所と県の監査では、09年1月~11月分で計30人、約150万円分の不正請求が発覚している。
<参考>
病院からもらった領収書と、後日手元に届く医療費通知をつき合わせたとき、自分はその月に全くお医者さんに行っていないのに、行ったことになっていたり、健康診断(保険はききません。病気以外は実費です)に行ったはずなのに病気扱いになっていたりしていたら、これがいわゆるお医者さん(医療機関)による医療費「不正請求」です。
現在、わが国の医療費は年間約33兆円。
国家予算の約半分に匹敵する大きなものになっています。
2007年度に厚生労働省が指導・監査で保険医療機関等から返還を求めた額は、約55億5千万円でした。この中で、不正請求等により保険医療機関の指定取消を受けた医療機関等は52件、保険医等の登録取消は61人と報告されています。
連合は、医療費のムダをなくすために自分たちでできることをやろうということで、97年11月から医療費「不正請求」一掃運動をしています。
具体的には、自分ができることとして、診療所や病院へ行ったときには必ず領収書をもらうこと、その領収書と医療費通知を照らし合わせようということを呼びかけています。
また、健康保険が組合健保の場合は、労働組合から組合健保に対して、レセプト点検の強化、医療費通知の内容充実(月1回の送付、日時と医療機関名の明示等)を働きかけるよう取り組んでいます。
不正請求の主な内容
架空請求
診療していないのに、診療したことにして診療報酬を不正に請求していた。
健康診断の保険請求
健康診断を保険請求した。(健康診断には保険は適用されません)
看護婦等の水増しによる請求:看護要員が長期にわたって不足していたにもかかわらず、変更の届出を行わず、診療報酬を不正に請求していた。
付増請求
血液検査の際、採血は1回だったにもかかわらず、数回に分けて検査したように診療報酬を不正に請求していた。
振替請求
外来診察なのに入院診察として扱い、診療報酬を不正に請求していた。
二重請求
患者が自費で診療したものを、保険診療したとして二重請求していた。
重複請求
健康保険の継続療養の対象となる傷病について、健康保険、国民健康保険の両制度に請求していた。
私たちにも不正請求は発見できる
診療所や病院へ行ったときは、必ず領収証をもらおう!
領収書と医療費通知を照らし合わせてみよう!
疑問をもったら、レセプトを請求しよう!
医療費通知をみたら、自分が行った覚えがないのに医者にかかったことになっていたり、金額が多額だったために不審に思った人が、レセプト開示を保険者(健保組合等)に求め、そのことによって不正請求が発覚したということがありました。










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