<川崎社会保険病院>
社会保険病院に対する断片的なマスコミ報道により不安が増大し職員の退職が加速した。
この間、医師の確保では平成15 年から開始された新臨床研修医制度に端を発した大学内医師数の著しい減少により、医局からの定期的医師派遣が困難となり本病院においても医師が不足する状況となった。
また、看護師の確保においては、平成18 年度の看護基準見直し(7:1 基準の新設)に伴い看護師獲得競争が激化し、本病院も看護師確保に努めたが十分に確保することができず、看護師不足の状況が続いた。
これらに平成18 年度の診療報酬マイナス改定が加わり収益が減額となるなど、病院運営
上負の要因が連鎖的に作用し経営悪化を招くことになった。
新政権に変わり全国の社会保険病院・厚生年金病院は公的病院として存続する方向が示され、平成21 年10 月からの臨時国会に「独立行政法人地域医療機能推進機構」法案が提出されている。
診療科 内科・心療内科・呼吸器科・消化器科・循環器科・外科・整形外科・小児科・
泌尿器科・皮膚科・眼科・こう門科・脳神経外科・心臓血管外科・
リハビリテーション科・放射線科・麻酔科・歯科・歯科口腔外科・
腎臓科(人工透析)(平成21 年10 月より一時休診)
<病院に対する意見>
本委員会では各委員及びオブザーバーより出された本病院に対する意見・要望の要点は以下の通りである。
住民代表
・全診療科の復活・継続をお願いしたい。
・地域の住民と医師の交流(講習会等)を盛んにして欲しい。
・土曜日の診療・健診をやってもらえば地域の人たちにとってありがたい。
・老人が安心して医療を受けられるよう考慮して欲しい。
医師会
・診療所では対応しきれない夜間救急・手術・入院にあたって、病診連携を強化していただきたい。
・川崎市立川崎病院を中心とした川崎市南部地域の病病連携を図って地域医療に取り組んで欲しい。
・本病院の特徴である総合内科、消化器外科及び緩和ケアを中心とした病診連携を進めていただきたい。
行政(オブザーバー)
・急性期治療が終了した患者の受け入れ先が不足しているため、高度医療を要する療養患者(人工呼吸器装着等)を受け入れていただきたい。
・新型インフルエンザのような事態が発生した場合、積極的に対応・協力をお願いしたい。
・健康管理センターは、広報を強化し地域・企業との連携を強め、疾病の早期発見及び健康指導の役割を更に強化して欲しい。
<病院の現状>」
1 医師の動向
平成17 年度までの常勤医師数は40 名であったが翌年より減少し平成20 年には26 名となった。
2 看護師の動向
診療科の休止等に伴い退職者が増加したが、良質な看護を提供するため平成19 年6月から7:1 看護を実施している。
3 入院・外来患者数の動向
入院延患者数は平成17 年度9 万人から平成18 年度は7 万6 千人と減少し以後漸減し平成20 年度には5 万5 千人となった。
外来患者数は平成17 年度18 万1 千人が平成20 年度は11 万6 千人まで減少した。
4 経営損益
平成17 年度の収益は70 億円、費用は67 億円で損益は3 億円の黒字であったが、平成18 年度より患者数減少とともに収益は減少し平成20 年度には43 億円まで低下した。
費用は48 億円で損益は5 億円の赤字となった。なお給与費比率は平成20 年度は56%となっている。
5 健康管理センター
平成17 年度の受診者数は4 万2 千人であったが、平成20 年度には4 万7 千人まで増加している。
また収益も平成17 年度は4 億1 千万円であったが、平成20 年度には4 億6 千万円に増加している。
6 介護老人保健施設の状況
平成20 年度の入所者1 日平均94.0 人、通所リハビリ利用者1 日平均24.2 人、収益5億3 千万円、費用5 億1 千5 百万円、その結果1 千5 百万円の黒字である。
<「看護基準7対1」とは>
「看護基準7対1」とは一般病棟入院基本料の看護職員配置基準で、平均して入院患者さま7人に対して看護師職員を1人配置することを示し、これまでの10対1看護より手厚く看護職員を配置することとなる。
今後も安全で質の高い医療・看護の提供につながる急性期病院(※)を目指す。
これを機会にさらなる業務改善に取り組み、これまで以上に患者に安全で質の高い医療・看護を提供できるように努める。