歯科医療最前線から発信:今上麗華(東京)さん
「院長からの視点・論点から医業医療・医業を語る」
元気が出る歯科医院シリーズ(11)
セカンドオピニオンとしての役割も果たす
地下鉄有楽町線の要町駅は、池袋駅から1つ目。
この日は氷雨が降っていた。
要町駅から徒歩1分の立地。
居抜き物件で開業した「エール歯科クリニック」を3月9日、取材した。
「今日で、ちょうど開業1年目です」と今上麗華院長は笑顔で出迎え、院内を案内した。
スペースは約20坪余であるが、機能的で明るい雰囲気であった。
居抜き物件でも内装は新規開業同様に一新したという。
― 歯科医師になった動機は?
今上 私の姉も歯科医師なので、その影響もありましたが、母が女性は手に職を持って生きていかなければならないと、小さい時から言っておりました。
― お姉さんも開業しているのですか?
今上 姉は結婚して子どもが2人いるのですが、旦那さんも歯科医師で下北沢の方で旦那さんは開業していますので、そこでお手伝いをしています。
― 開業までの経緯について
今上 昭和大学歯学部を卒業し、部分床義歯学の講座に残りました。
どの科に進むかを悩んだのですが、これからは高齢化社会ですから義歯を勉強すべきと考え、部分床義歯学の講座を選びました。
― 大学の講座に残った後は?
今上 3年間大学にいたのですが、元々外国へ行くのが好きなので、外国の歯科はどのような様子なのか見ておこうと考えていました。
大学の女性の先輩がアメリカのライセンスを取ってアメリカで開業していたので、先輩を頼ってアメリカに行きました。
先輩からアメリカの歯科医療機関を見学するプログラムがあることを教えていただき、UCLAの聴講生のような立場で1年間ほどいました。
― アメリカで学んだことは?
今上 基本的に歯、口腔に関するアメリカの人たちの考え方が違っていました。
また、日本は国民皆保険ですが、アメリカにも保険制度はありますが、民間保険が中心であり日本とは大きな違いがあります。
実は日本の歯科医療は、進んでいるということも感じました。
日本の歯科材料も結構、使われているのです。
また、日本の歯科技工士さんも多くおり、日本人は器用ですので高く評価され、重宝されていました。
― その他、アメリカでの滞在で印象に残っていることは?
今上 コミュニケーションには、すごく熱いものがあるということを感じました。
― それは、ホームドクター的な親密さですか?
今上 そうですね。
― 患者さんの層について
今上 大学附属病院でしたので、色々な方が来ていました。
また、一般の歯科クリニックにも見学にいったのですが、著名な先生のクリニックでしたので、それなりの患者さんが来ているという印象でした。
― アメリカに行って良かったですか?
今上 今、振り返えるのですが、日本でもっと臨床を学んでからアメリカへ行けば、もっと良かったと思います。
ちょっと勉強をするためには、早すぎたかなと考えています。
やはり、見たり聞いても分からないことが多くあり、例えばインプラントについても理解できない面がありました。
日本のインプラントの治療が分からないまま、アメリカの最先端のインプラントプランを見てしまったので、日本との違いが比べられなかったのです。
― アメリカは専門医制度が進んでいますが、その印象について
今上 アメリカでは根管治療なら、それだけを専門に歯科医師は行っていました。
それで、それなりの専門医としての治療費を得ています。
一方、日本はすべての治療を一人の歯科医師は行っています。
根管治療は、それが基本で必要な治療ですが、保険点数の面では高く評価をされていません。
その面では日本とアメリカの大きな差を感じました。
― アメリカから帰ってきた後は?
今上 一般の開業医のところへ勤務したのですが、技術面では上を見れば口腔外科、歯周外科などの分野もあります。
まず、基本的な歯科治療を行うためにもう一度、初心に戻る形で都内の歯科医院に勤務しました。
― 勤務したのは何年ですか?
今上 2か所、約6年ですが、基本的なことは何となく見えてきたので、新しい分野にもチャレンジしたいと思っていたので職場を変えました。
それまでは、埼玉県と東京の御徒町の歯科診療所に勤務していたのですが、大都市で最先端の歯科治療を、自費でもやるような歯科診療所へと思い、新宿の歯科診療所に移りました。
2、3年は頑張るつもりでおりましたが、開業セミナーに出たことを契機に開業することになりました。
何時かは開業したいと思っていましたで、開業を勧められた時には、『その時期』になったのか、と前向きに検討したのは約1年半前のことです。
― 開業後に苦労したことは?
今上 そうですね。いっぱいありますが、何でしょうかね・・・。
― では、悩んだことは?
今上 スタッフのことです。
あるいは予約などが、うまく流れなかったことです。
アポイントのとり方も含めて、スタッフは思ったとおりには動いてくれなかったことです。
あとは、診療のことです。
自分の治療技術にも限界があり、矯正歯科などはほかの先生に来ていただいています。
― 診療体制は?
今上 ユニットが4台で、常勤は歯科医師2人体制ですが、非常勤歯科医師にも来ていただいています。
歯科衛生士は先月、辞めて現在、助手3人です。
歯科衛生士は近く来る予定です。
― 歯科診療所としての強みは?
今上 比較的、時間的な余裕をもって治療しています。
患者さんのお話はできるだけ、聞いてあげたいと思っています。
ほかの歯科診療所では聞いてもらえなかった、相談もできなかったと患者さんが言っていますので、セカンドオピニオンのような役割もしています。
― 女医さんの方が、患者さんは聞きやすい面もあるでしょうね。
今上 そのように思われます。女性歯科医師2人ですから、それも強みにしたいです。
この周辺の歯科医院には、女性歯科医師は居ないので、女性の目線で患者さんに接していきたいと思っています。
― 患者さんの層は?
今上 駅前ですから、若い人が多いですね。
また、小児の患者さんも来ますので、幅広層の患者さんが居ます。
中心は20代、30代です。
結構、矯正をやりたい、という若い女性の患者さんも増えています。
お子さんより、成人矯正がほとんどです。
― セカンドオピニオンとして、どのような相談がありますか?
今上 歯科医師から言われたことに、不信感をもっています。
歯を抜くといわれたけど、ほかに方法はないのかなどです。
色々な選択肢があるのではないですか? と患者さんは聞きます。
それに対して、納得がいくように懇切丁寧に説明に努めたい思っています。










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