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2009年11 月 2日 (月曜日)

大学病院の医療過誤で歯科医師が勝訴

東京・世田谷区瀬田で歯科医院を開業していた歯科医師の林信子さん(86)さんは、2001年に脳梗塞で都内の、大学病院に入院し脳動脈瘤の手術を受けた。

しかし、「医師が血栓溶解剤を早期に投与しなかったため、脳梗塞が拡大した」。

そこで、医療過誤として200212月、11900万円の損害賠償を求める訴訟を、東京地裁に起こした。

病院側は責任を否定し、1審は敗訴しが、医療事故に遭った克明な毎日の日記の記録が証拠として採用され、大学病院に勝訴。

東京高裁は20082月、医療過誤と認定して、550万円の支払いを命じる逆転判決を言い渡し、今年4月に最高裁で確定した。

 http://lohasmedical.jp/blog/kawaguchi/0905071.jpg

 

 

全国80の大学病院のうち、患者に後遺症が出るような重大な医療事故について、「原因などを調査し、結果を必ず公表している」としているのはわずか21・3%に当たる17病院にとどまっていることが10月30日、全国医学部長病院長会議のアンケートで分かった。

残る63病院は「原則公表だが、事例によっては非公表」と回答。

当事者の過失の有無などが判断材料という。

 80大学病院は一昨年の同会議総会で、重大事故に関しては調査結果を公表することを申し合わせており、情報開示の徹底に向けた一層の取り組みが求められそうだ。

 同日、医療事故対策委員長を務める嘉山孝正山形大医学部長が記者会見し「『必ず公表』の割合を上げる必要はあるが、すべての大学病院が基本的には公表する姿勢を取っており、その点は評価したい」と話した。

 80病院の内訳は、国立が43、公立8、私立29。

重大事故の調査結果を「必ず公表」としたのは、国立10、公立2、私立5。

「事例によっては非公表」は、国立33、公立6、私立24だった。

 一方、事故の報告については、すべての大学病院が「病院長らへの連絡義務」などの規定や期限を設定し、調査委員会を立ち上げる基準を設けていた。調査委に弁護士ら医療従事者以外が「必ず入る」としたのは23。

7施設が「入らない」とした。

全国80の国公私立大学でつくる全国医学部長病院長会議が、大学病院で起きた医療事故の公表についての指針を定めた。

42の国立大病院は同様の指針を05年3月に先行導入していたが、今回新たに38の公・私立大病院にも呼び掛け、統一基準をまとめた。

指針は過失の有無や患者の状況によって三段階に分かれる。

病院側の過失で患者が死亡、あるいは重い症状で後遺症がある場合は、記者会見や大学病院ホームページで「発生後、速やかに公表する」としている。

一方、病院側の過失で重い症状になったが治療後に回復したか、症状は軽くても重大な過失がある場合は「調査後に事故の概要や原因、改善策を公表する」と規定した。

病院側に過失がないケースや、過失があっても症状が軽い場合は「各病院の基準により判断する」としている。

<医療事故は隠さず公表> 

国立大病院長会議が指針

医療事故などが起きた際の公表基準について検討してきた国立大学付属病院長会議の常置委員会は、過失の有無や重篤性などに応じた公表方法について指針をまとめた。

過失のない合併症や、過失はあるがその後回復した例など、従来は公表されてこなかったような事例も報告を求めるなど「隠さない」姿勢を打ち出す内容となった。

全国42の国立大病院が足並みをそろえることで、一般病院の医療事故の公表のあり方にも影響を与えそうだ。 

<指針では公表方法を>

医療事故は隠さず公表 国立大病院長会議が指針 

1)発生後可及的速やかに記者会見などで公表

2)調査後ホームページ(HP)などにより公表

3)一定期間とりまとめて報告

4)年度として報告――の四つに分類した。

3)と(4)は大学名を匿名とした上で、大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)のHP上で公表する。 

公表の基準は、過失があり、死亡または重篤な例は(1)、重篤になったが回復した例は(2)(重大な過失の場合は(1))とした。

過失がなく、予期していなかった合併症などの場合は(4)(公表が再発防止につながる場合は(3))、予期していた場合は、公表が再発防止につながる場合のみ

(3)とした。過失がある、ないの判断は各病院がする。 

同委員会では2003年12月に指針をまとめる予定だったが、医療事故の定義について意見がまとまらず、検討を続けていた。

指針を中心になってまとめた永井良三・東大病院長は「公表基準ができることによってインフォームド・コンセントも徹底され、患者中心の医療に向かっていくのではないか」と話している。


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