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投稿(2008年1 月)

2008年1 月31日 (木曜日)

歯科医師,歯科衛生士も特定保健指導を

食生活改善指導,運動指導で一定の役割を果たす

厚生労働省は1月29日,特定健診,特定保健指導に関するパブリックコメントに対する回答を明らかにした.
このなかで,歯科医師,歯科衛生士も特定保健指導で一定の役割を果たすべきとした.石井みどり参議院議員は昨年末,特定健診,特定保健指導に関して,「食生活改善指導または運動指導に関する専門的知識および技術を有すると認められる者として,歯科医師,歯科 衛生士を加える必要がある」と訴えてきた.
パブリックコメントの募集のなかで,日本歯科衛生士会も同様の主張をしてきた.今回の回答で,これらの主張が受け入れられた.食生活改善指導または運動指導は,看護師,栄養士等であり,等に該当する専門職種が明文化されていなかった.そこで石井議員は,日本歯科衛生士会の要請も受けて,歯科医師,歯科衛生士を加えることを主張していた. 

2008年1 月30日 (水曜日)

歯科保健法など議員立法も視野に活動へ

国民歯科問題議員連盟の設立総会

自民党の衆参両院議員による国民歯科問題議員連盟の設立総会が1月29日,衆議院第2議員会議室で行われた.冒頭を公開し,議員の意見,質問などは非公開にし,総会の終了後に記者会見を行った.
日歯から大久保満男会長,箱崎守男,近藤勝洪両副会長,村上専務理事らが出席した.日歯連盟から永山一行会長,蒲生洵副会長,渡邉敏弘理事長らが出席した.厚生労働省から医政局の日高勝美歯科保健課長,保険局の上條英之歯科医療管理官が出席した.
はじめに顧問役の元厚生大臣津島雄二衆議院議員が挨拶し,「力を結集すれば,問題は解決すると思う.努力してきた石井先生には,要としての事務局長として頑張ってほしい.これだけの人を束ねるにはどうしたらいいかは,改めて幹部の人たちで協議してほしい.厳しい昨年の参議院選挙を戦い抜いた尾辻秀久参議院議員会長を相談役にしてはどうか.衆議院側も力を合わせて,進んでいきたいので,賛同を得たい」と要請した.
次いで呼びかけ人を代表しての石井みどり参議院議員が挨拶し,「世界に冠たる長寿社会を実現し,我が国は人生80年を迎えた.歯および口腔の健康の保持,増進は,全身の健康に資するとともに,QOLの面からも大きな意味を持っている.しかるに歯科領域では,保健,医療,福祉の各分野で環境整備や包括的な提供体制に加えて,役割分担と連携のうえでも,多くの問題を抱えている.歯および口腔の歯科保健医療政策を総合的,体系的に推進する必要がある.国民の歯科保健意識を高め,歯科の問題点を解決するため,ここに国民歯科問題議員連盟を立ち上げるこことする.多くの先生方の力を結集していき問題の解決を図りたい」と述べた.
また,呼びかけ人の1人として,関口昌一参議院議員は,「予想を上回る議員方の賛同を得て,会場の席に着けないほどご参加をいただき,心強く思っている.日歯と連携を取りながら一生懸命頑張ってきた石井先生の努力の表れだと思う.新井先生はじめ歯科議員たちと頑張っていきたい」と挨拶した.
このあと,大久保日歯会長がスライドを用い,「生涯を通した歯科保健・医療対策の概要」をテーマに講演をした.また,8020達成のイメージ図などの資料を示した.議員の質問,意見,厚生労働省の考え方等は非公開とし,終了後に記者会見を石井,関口両議員が行った.
<記者会見>
石井みどり議員の説明要旨
国民歯科問題議員連盟の名称を変えるべきだとの意見があり,検討課題となった.また,歯科問題の解決に議員立法も視野に置いている.周産期からターミナルまでの歯科保健医療の体制の法整備が必要である.
歯科保健法や歯科保健基本法など検討の余地がある.現在は1歳半から18歳までの齲蝕予防対策である.成人期の歯周疾患予防対策は40,50,60,70の節目で,平成17年度の全国の歯周疾患検診の受診者総数は,171,855人に過ぎない.歯科医師過剰とされているが,すべての国民が健康増進法で規定された歯周疾患検診を受けたら,今の歯科医師数では足りない状況となる.政令都市では歯周疾患検診の受診者は1%台である.人口規模が小さい市町村で3.9%である.
高齢者は2,200万人を超えているのに17万人しか検診を受けていない.労働安全衛生法には罰則規定があるにも関わらず,検診を受けている人は半分であり,確かなデータもない.私の地元の広島県が全国で初めてのデータを取った.有害物質を取り扱っている事業所のみ検診が義務づけられているである.
生涯を通じた検診体制が一番求められている.大きな議員連盟となったので,受け皿にして歯科問題解決の実現に向かい頑張っていきたい.

―今回,厚生労働省の健康局の出席がないが.
石井 行政は裏打ちとなる法律がないと動かない.来ていないことが一つの証拠だと思う.根拠となる法律が求められる.
関口 これから行政にも働きかけることをご理解願いたい.
―議員からどのような話があったのか.
石井 幅広い意見がかなり出た.一つは法整備の話であり,歯科医師は予防医療で医療経済的にも貢献しているのに,評価が十分ではない.あるいは生涯を通じた歯科保健・医療対策の実現にどれくらいの歯科医師が参加できるのか.歯科医師の需給バランスが崩れているのかどうか.
あるべき本来のニーズが満たされれば,私は65,000人の開業医や大学,病院を含めた10万余の歯科医師は余っていないと思う.医療資源としての歯科医師が十分には活用されていない.また,歯科医師の偏在の問題,混合診療の問題などの意見が出た.
今後の運営や活動は,これから幹事が集まり協議する.行程表などを作り進めていきたい.8月から永田町へ私は来たが,その時点から議員連盟の立ち上げを要請されていた.診療報酬改定が終わるのを待つ予定であったが,衆議院の先生の設立の要請が非常に強かった.

<呼びかけ人>

新井悦二,石井みどり,木村義雄,関口昌一,野田聖子,保岡興治,吉田六左エ門

中医協 病院の再診料を引き上げへ

後期高齢者は初再診料を据え置く

 中医協は1月30日に総会を開き,診療所の再診料の引き下げはしないことを決めた.
また,後期高齢者医療についても,再診料の引き下げと初診料の引き上げも行わないこととした.
 診料に対する外来管理加算は,5分程度の診療時間は必要とする要件を追加した.後期高齢者医療の外来管理加算は,診療所の57点を病院(200床未満)と同じ47点に引き下げる.
 画像診断のデジタル加算は廃止するが,2年間の経過措置は乱暴だとの反対意見があり,さらに配慮することにした.
 再診料の病診格差の是正で,病院(200床未満)の再診料を引き上げる.今回の改定で焦点となった初再診料については,診療側と支払側の意見は,対立したままであり,土田会長が公益委員の判断として,「次回改定時に基本的に見直す」と提案したので,診療側,支払側ともこれを受け入れた.
 

2008年1 月28日 (月曜日)

中医協土田会長 「患者・国民の積極的な参加が大事」

診療報酬改定へ前橋市で公聴会を開く

 中医協は1月25日,今回の診療報酬改定で広く意見を聞くため,前橋市の市民文化会館で公聴会を開いた.
開業の医師や歯科医師,薬剤師,看護師の労組役員,脳疾患専門病院の副院長,群馬県自動車販売健保関係者,がん患者の協会,薬害被害者団体連絡協議会,DPC病院の事務員,神奈川県保険医協会の10人が意見発表を述べた・

 土田会長は,診療報酬改定の議論のための公聴会の実施について,「患者,国民の積極的な参加が大事」と述べ,意義は大きいとの考えを示した.発表された意見については,整理して今後の議論に生かすこととした.

 前橋市内の開業医は,「今回は勤務医優遇改正と言われる.しかし,公務員の医師には診療報酬での優遇はない」と指摘した.
 千葉市の開業歯科医師は,「歯科医療の総合管理の評価について,前回の改定で診療内容の制限が多く行われ,採用件数が大幅に減少している.大幅な見直しを求めたい」と要望した.
 桐生市の開局薬剤師は,「後発医薬品の使用促進策としての調剤基本料の見直しなどは,抗がん剤の多いところや生薬の多いところなどがあり,すべての薬局が協力できるものになっていない.後発医薬品の使用のための説明が義務化されるのは厳しい」と述べた.

 労組役員の看護師は,「7:1看護に看護度の評価を導入するが,評価表が科学的指標であるか疑問だ.進み出した看護師の増員に水を差すものであり,絶対にやめてほしい」と訴えた.
 脳疾患専門病院の副院長は,「脳卒中ケアユニット入院管理料が脳外科医師の常駐を条件としているが,常駐でなく当直でも可能だ.常駐の要件を緩和すべきだ」と意見を述べた.

 群馬県自動車販売健保の発言者は,「診療所再診料の大幅引き下げ,明細書付き領収書の無料発行,後発医薬品の使用促進策の実施後調査の実施,レセプトの見直し(傷病名と診療行為との対応,175円ルールの見直し,調剤レセに医療機関コードの記載などをしてほしい)と求めた.

 がん患者協会の発言者は,「エビデンスに基づく診療ガイドラインの作成,地域連携クリティカルパスの評価をしてほしい」と要望した.
 薬害被害者団体連絡協議会の発言者は,「薬害肝炎訴訟の原告として,スーパーのレジ係をしているが,レジの段階で明細をチェックする消費者が多いなかで病院ではどのような薬剤が投与されたかがわからず,カルテが残っていない病院も多いためフィブリノゲン投与の証明ができない状況がある.明細書の発行は薬害根絶のためになる.明細書の無料発行をしてほしい」と求めた。

医療技術の評価・再評価について協議

中医協が基本問題小委員会
 
中医協の基本問題小委員会が1月23日開かれ,医療技術評価分科会がまとめた「医療技術の評価・再評価について最終的な検討結果のとりまとめ」 が報告された.  
医療技術の評価は,関係学会から提案された681件のなかで一次評価は233件について引き続き検討することとなった.二次評価では,1)保険適用する優先度が高いと考えられる新規技術(42件),2)その他の新規技術(69件),3)再評価する優先度が高いと考えられる既存技術(62件),4)その他の既存技術(55件),5)先進医療専門家会議で保険導入等について議論する技術(5件)をあげた.
再評価では,増点,減点,廃止,要件の見直しがを行う.以上の報告内容について小委員会で了承された.
  対馬委員は,新規技術等の保険導入について,「今回の改定率の範囲に納まるのか.また,なぜ保険適用することになったのかが不明である」と指摘した.これに対して事務局は,「財源問題から改定率内での対応と考えている」と説明した
なお,技術導入等による財政影響に対して,1)学会以外から申請が行われたのか,2)保険導入とする説明や記載がなく分かりにくいとされた.事務局は財政影響について,1)影響率の試算を行った,2)技術によっては算定要件を厳しくする.3)回数の制限などで対応,予算内で行えるよう調整している,4)申請団体については,内保連,外保連等も入っている,5)保険導入の適否を判断できるような説明と資料の作成要望については,次回以降,改善するとした.
次回の中医協総会の開催等について,土田会長より提案が行われ,1)再診料,2)外来管理加算,3)デジタル加算の3点について議論を行う.特に再診料については,両者に意見の隔たりがあり議論を尽くしたいとした.


2008年1 月25日 (金曜日)

8020運動設立20周年で記念事業

日歯定例会見
  日本歯科医師会は1月24日,定例の記者会見を開いた.挨拶した大久保満男会長は,8020運動や診療報酬改定問題などについて以下のとおり発言した.
<大久保満男会長挨拶>
  私との対談で舛添厚生労働大臣が,国民にも応分の負担を求めなければならないと述べていたが,それを受けて私は,そうはいっても国民に過度の負担を強いると,もはや社会保障の存在意義そのものが失われてしまうと申し上げた.
  大臣はそのことを十分わかりながら,なおかつ財源問題をどうするか,大きな議論になるだろう.そのなかで日本の国力,経済力を含め状況は極めて厳しいので,国民に負担を求めるという考えであり,私どもにとって大きな問題である.
  来年は診療報酬改定がないので,そのような時こそきちんとした政策を打ち出すべきだと思っている.
  小林秀雄という人が,非常時の思想はありえない.非常時に政策はありえるが,思想はない.ものの考え方は平常時に積み上げた考え方だけが,その組織なり国の思想だといっているが,まさにそのとおりである.
  この1年の最後の任期はじっくりと,日本歯科医師会の考え方を打ち出し,態度を明確にしていきたい.
  8020運動が20周年を迎える.企画会議を設置し,記念行事を決める.11月に記念式典,記念シンポジウムを行う.その前にプレとして,学会,市民講座を予定している.
 私は財団をつくる設立の理念を,当時の光安一夫専務理事に頼まれて書いているが,財団に2本柱があり,1本は研究である.助成金を効果的に出して,研究が行われている.厚生労働省からの特別事業費が5年間続いた.来年も総合事業で行われる.そのなかで運動形態ができてきた.
 また,2本目は国民運動として8020運動を進めることが財団の理念であるので,高齢者の健康を守るという課題は,まだ十分だとは思われない.それを20周年の記念事業のなかで実現したい.
 特に8020運動の象徴的な人を,財団の名誉会長などにして,国民運動としての弾みをつけたい.歯が20本以上あり元気で,社会的な信頼の厚い人を探したい.
後期高齢者の在宅医療の連携では,来年度の国の予算案で全都道府県では無理である.厚生労働省との具体的つめはまだ行われていない.医師会が独自の意見を持っているので,そのからみもあるが,まだ全体像は見えてこない.診療報酬改定のなかで示されると思う.
  歯科関係予算は全部で3%ほど増え40億円を超えたので,有効に使っていきたい.初再診料の引き上げについては議論の段階であり,ぬか喜びにならないよう見守りたい.
 歯科の新技術が提案されているが,一般の開業医のイノベーションはまだ出てこない.前回の診療報酬改定では申請すら1つも出ていなかった.85の申請で6つが中医協に出てきた.これは非常に高く評価している.日本医師会は診  療報酬改定の度に新たな診療報酬体型を築いてきた.
 歯科が遅れていた部分であり,私が会長になった時に,学会,大学に新技術の申請をお願いした.開業医も広く使える新技術開発をさらに期待したい.

 また,村上恵一専務理事が,平成20年度日歯生涯研修セミナーの開催日程(5月11日~21年2月8日),2月の行事予定のほか,都道府県会長会(2月29日,日歯に機構などを討議),代議員会(3月13,14日),通常総会(3月14日)の開催について説明した.

2008年1 月24日 (木曜日)

人材派遣会社が頑張る歯科衛生士を応援するセミナー



ライオンコーディアルサポート(株)が再教育セミナーを開く

人材派遣事業のライオンコーディアルサポート(株)の「ブラッショアップセミナー」(無料)が,1月22日,東京・墨田区両国のエイチ・エムズコレクションで開かれた.
はじめにライオンオンコーディアルサポートの谷川純社長が挨拶し,「当社はライオンの子会社で,人材派遣事業を行っている.一般事務,営業,マーケティング,研究開発などの分野に人材を派遣してきたが,薬剤師,歯科衛生士等の有資格者や即戦力者の派遣,人材紹介事業,業務請負事業もしている.また,デンタルショーなどにも必要に応じて人材を派遣している.今回のセミナーは,頑張る歯科衛生士を応援するものである」と述べた.
共催のエイチ・エムズコレクションは歯科医院のスタッフ人材育成事業や製品開発事業など展開しており,同社の福田智恵子氏が今回のセミナー講師.まずセミナーの主旨を説明し講義を行った.
<セミナー内容主旨>
ブラッショアップ(Brushup)とは,みがきあげることであり,学問,技術などの再勉強や鈍った腕や技のみがき直しのことである.また,一定のレベルに達した状態からさらにみがきをかけることである.
歯科疾患の予防の専門家として,自分の知識の足りないところや,興味をもったところをクリアできるように復習し,より学問,技術を深めてほしい.
40,50人ほどのセミナーもあるが,大ぜいのなかでは質問がしづらく,私も初心者のころは気後れをして,手をあげることができなかった.一方,少人数でのセミナーには,気安さがあり,なんでも遠慮なく聞けると思う.講師の私自身も一緒に勉強し頑張っていきたい,まず福田氏は述べた.
セミナーで福田氏は,プロフェッショナルの条件をあげた.
1)社会人としてのマナーがあること.
2)医療人としてのマナーがあること.
3)専門知識に精通していること.
4)向上心があること.
5)コミュニケーション能力があること.
6)応用力があること.
また,土台が大切であり,土台さえしっかりしていれば,プロフェッショナルとしての自信や,それに対する報酬も得られると思う.私たちは歯科衛生士であり続ける限り,エキスパートを目指して,日々の努力が必要である,と述べた.
さらに,研鑽の目的は歯科医院にとって必要な人材になることであり,自分にとってやりがいのある職場にするために何をすべきかを考え,実践することがセミナーの目的であると強調した.このあと保険診療でできる予防(保険歯周治療の流れ),自費でできる予防方法などについて解説をした.


2008年1 月23日 (水曜日)

京都大学に「ips細胞研究センター」を設置

文部科学省「コンソーシアム」を形成する方針

文部科学省は,1月22日に設置された京都大学の「ips細胞研究センター」に対して,国内の関連研究者を集めて「コンソーシアム」を形成する方針である.
ヒト人工多能性幹(ips)細胞の研究を推進する目的で設置されたips細胞研究センター長には,山中伸弥教授が就任し,22日に記者会見で,「基礎研究だけではなく,臨床応用にしたい.ips細胞は息の長い研究が必要である.センターは次世代の若い研究者の切磋琢磨する場となることが目標だ」と語った.
なお,ips細胞研究センターは昨年10月,京大が開設した「物質―細胞統合システム拠点」の一部に位置づけられた.
センターは選任のチームと再生医科学研究所のチームでスタートする.選任チームは学外や外国の研究者の参加も募る方針である.文部科学省は,激化する海外との競争を想定し,「オールジャパン体制」でのセンターの研究推進を期待している.


ライオンNew Year セミナーで歯科衛生士の新しい役割を提案

新年の恒例となった財団法人・ライオン歯科衛生研究所主催のライオンNew Year セミナーは17回目を迎え,1月20日,東京・千駄ヶ谷の津田ホールに約400名の参加者を集めて開かれた.
同財団は,口腔が健康で美しく,おいしく食べて楽しく話し,笑顔でいられるためにという「健口美」を提唱しているが,セミナーは「あなたとクライアントのための“健口美” −魅力ある歯科衛生士をめざして−」というタイトルで行われた.以下要旨を紹介する.
・ 基調講演「免疫力アップで健口美をつくる」安保徹氏
 基調講演は『免疫革命』などの著書で知られる安保徹氏(新潟大学医学部教授)が,最初に,なぜ豊かになった現代で原因不明の病気が増えるか,それは競争社会,長時間労働,睡眠の不足などが,人間の神経のバランスを壊しているからだと指摘した.安保氏は交感神経,副交感神経の働きによる体調維持を解説し,白血球の働きもそれに関連し,人によってそれぞれ違ってくる,顆粒球,リンパ球の白血球構成(分画)はその人の生き方を反映していると解説した.
無理な生き方は,交感神経緊張状態となり,顆粒球が増大し,細菌感染のある粘膜などに押しかけて,炎症や化膿を起こしやすい.口腔内での反応が歯周病で,痔疾患も部位は違うが同じ病態であるとした.生き方を見直して,顆粒球増加の状態を脱却すべきであると展開した.
また臨床の注意点として,消炎鎮痛剤の長期服用はプロスタグランディンを押さえカテコールアミンを増やし,血流障害を起こし,顆粒球を増大させるので,気をつけるようにと述べた.
・「食べて健康 −歯科医院における食生活指導−」幕内秀夫氏
食事・栄養関係でのベストセラー『粗食のすすめ』の著者,幕内秀夫氏(フーズ&ヘルス研究所代表・管理栄養士)は,まず,小児に増えるメタボリックシンドロームの問題を取り上げ,WHOの「2000年以降に生まれる子どもの40%が糖尿病になる可能性がある」という発表を紹介し,危険な食生活習慣に警鐘を鳴らし,とんでもない食事をしている人がまず行くところが歯科ではないか,そして,継続通院する可能性の高い歯科は,生活習慣病予防の最前線ではないかと提言した.しかし,歯科で食事の問題を取り上げると,口のところだけで止まってしまい,口から下との関連は考えられずじまいのことがほとんどである.「食育」の場所として歯科医院は最適であるので,ぜひ食生活指導を行うべきと述べた.また現代の,脂肪,砂糖の多い食生活を子どもに習慣化させないように訴え,アドバイスとして,大切なことを数点あげたが,その中でも特に重要なものとして,1)子どもの飲み物は水,麦茶,ほうじ茶,2)朝ごはん(米飯・味噌汁)をしっかり食べさせる,3)子どものおやつは食事と考える(スナック菓子・清涼飲料水は買わない),4)カタカナ食(パン,シリアル,パスタ,ピザ,ハンバーガー,ラーメンなど)は日曜日だけ,ということを上げた.

上記の講演のほか,歯科分野の講演では,宮崎真至氏(日本大学教授・保存修復学)が「自然で美しい歯と笑顔」のタイトルでホワイトニングを中心に講演し,また品田佳世子氏(東京医科歯科大学・息さわやか外来)が「人との距離を縮める健口美 −息さわやかでコミュニケーションアップ−」のテーマで講演した.
宮崎真至氏の講演では「患者へどのような情報の与え方をするかによって治療への満足度が大きく違う」,「また口の中が気になっているという“未患者”層が74%もあり,歯科の状況は大変だ,ではなく,まだまだやることが沢山ある」,「新しい価値を患者に与えると生活が向上する」というような,マーケティング的なアプローチが興味を引いていた.また品田佳世子氏の講演では,「見えないお口の審美は,コミュニケーションで重要な位置を占める」,「口臭の原因,分類をよく知っておくことが大切」,「自分も経験があるが,治療側も忙しくて食事も洗口もしていないと,口臭がすると言われる」,「舌体操,唾液腺マッサージなどを修得しておくとよい」などのアドバイスに,歯科衛生士が聞き入っていた.


「健口美」をテーマに講演会

ライオンNew Year セミナーで歯科衛生士の新しい役割を提案

新年の恒例となった財団法人・ライオン歯科衛生研究所主催のライオンNew Year セミナーは17回目を迎え,1月20日,東京・千駄ヶ谷の津田ホールに約400名の参加者を集めて開かれた.
同財団は,口腔が健康で美しく,おいしく食べて楽しく話し,笑顔でいられるためにという「健口美」を提唱しているが,セミナーは「あなたとクライアントのための“健口美” −魅力ある歯科衛生士をめざして−」というタイトルで行われた.以下要旨を紹介する.
・ 基調講演「免疫力アップで健口美をつくる」安保徹氏
 基調講演は『免疫革命』などの著書で知られる安保徹氏(新潟大学医学部教授)が,最初に,なぜ豊かになった現代で原因不明の病気が増えるか,それは競争社会,長時間労働,睡眠の不足などが,人間の神経のバランスを壊しているからだと指摘した.安保氏は交感神経,副交感神経の働きによる体調維持を解説し,白血球の働きもそれに関連し,人によってそれぞれ違ってくる,顆粒球,リンパ球の白血球構成(分画)はその人の生き方を反映していると解説した.
無理な生き方は,交感神経緊張状態となり,顆粒球が増大し,細菌感染のある粘膜などに押しかけて,炎症や化膿を起こしやすい.口腔内での反応が歯周病で,痔疾患も部位は違うが同じ病態であるとした.生き方を見直して,顆粒球増加の状態を脱却すべきであると展開した.
また臨床の注意点として,消炎鎮痛剤の長期服用はプロスタグランディンを押さえカテコールアミンを増やし,血流障害を起こし,顆粒球を増大させるので,気をつけるようにと述べた.
・「食べて健康 −歯科医院における食生活指導−」幕内秀夫氏
食事・栄養関係でのベストセラー『粗食のすすめ』の著者,幕内秀夫氏(フーズ&ヘルス研究所代表・管理栄養士)は,まず,小児に増えるメタボリックシンドロームの問題を取り上げ,WHOの「2000年以降に生まれる子どもの40%が糖尿病になる可能性がある」という発表を紹介し,危険な食生活習慣に警鐘を鳴らし,とんでもない食事をしている人がまず行くところが歯科ではないか,そして,継続通院する可能性の高い歯科は,生活習慣病予防の最前線ではないかと提言した.しかし,歯科で食事の問題を取り上げると,口のところだけで止まってしまい,口から下との関連は考えられずじまいのことがほとんどである.「食育」の場所として歯科医院は最適であるので,ぜひ食生活指導を行うべきと述べた.また現代の,脂肪,砂糖の多い食生活を子どもに習慣化させないように訴え,アドバイスとして,大切なことを数点あげたが,その中でも特に重要なものとして,1)子どもの飲み物は水,麦茶,ほうじ茶,2)朝ごはん(米飯・味噌汁)をしっかり食べさせる,3)子どものおやつは食事と考える(スナック菓子・清涼飲料水は買わない),4)カタカナ食(パン,シリアル,パスタ,ピザ,ハンバーガー,ラーメンなど)は日曜日だけ,ということを上げた.

上記の講演のほか,歯科分野の講演では,宮崎真至氏(日本大学教授・保存修復学)が「自然で美しい歯と笑顔」のタイトルでホワイトニングを中心に講演し,また品田佳世子氏(東京医科歯科大学・息さわやか外来)が「人との距離を縮める健口美 −息さわやかでコミュニケーションアップ−」のテーマで講演した.
宮崎真至氏の講演では「患者へどのような情報の与え方をするかによって治療への満足度が大きく違う」,「また口の中が気になっているという“未患者”層が74%もあり,歯科の状況は大変だ,ではなく,まだまだやることが沢山ある」,「新しい価値を患者に与えると生活が向上する」というような,マーケティング的なアプローチが興味を引いていた.また品田佳世子氏の講演では,「見えないお口の審美は,コミュニケーションで重要な位置を占める」,「口臭の原因,分類をよく知っておくことが大切」,「自分も経験があるが,治療側も忙しくて食事も洗口もしていないと,口臭がすると言われる」,「舌体操,唾液腺マッサージなどを修得しておくとよい」などのアドバイスに,歯科衛生士が聞き入っていた.