スタディーグループ紹介 「MACS研究会」
切磋琢磨して世界に向けて発信
磁性アタッチメントのインプラント臨床応用
MACS研究会(www.macssystem.jp)
発足:1995年
会員数:907人
会長:田中 譲治 さん
千葉県柏市で開業している田中譲治会長は、インプラントにおける磁性アタッチメントの国内におけるパイオニア的な存在であり、MACS研究会を発足させた。
MACS研究会の今後の方向性や磁性アタッチメントのインプラント臨床応用などについて話を聞いた。
―MACS研究会の発足の経緯についてお聞きします。
どのようなスタディーグループですか?
MACS研究会は1995年に発足し、磁性アタッチメントのインプラント臨床応用に興味をもった方が会員で、現在では、会員数は907人になります。
天然歯用の磁性アタッチメントが1992年に日本で発売が開始され、一時は大ブームになりました。
しかし、利用方法が確立されておらず無理な使い方をされたこともあり少し下火になっていました。
その後、インプラント応用にも注目されるようになり広く普及され、現在、磁性アタッチメントは再脚光を浴びています。
このように磁性アタッチメントの普及にあたってはいろいろな背景があるのですが、実は、発売された当時は国内においてインプラント用の磁性アタッチメントはなかったのです。
そこで、インプラント用専用磁性アタッチメントをメーカーとともに試行錯誤をしながら作っていました。それがMACS研究会(MACS:Magnetic Attachments of a Cap Shape)の発端なのです。
また、当時はまだまだ歯科治療は単に痛い歯を治すだけという考えがありましたので、歯科医療はQuality of life(生活の質)の向上を重要視した上で、口腔機能の回復と口腔の健康維持を担うものへと大きく変わるべきという考えのもと、MACSは「Modern, Academic and Creative Specialist」(近代的、学術的かつ想像力あるスペシャリスト)をも意味し、日本の歯科医療の向上に微力ながらも貢献できればと会を発足しました。
― MACS研究会の活動について
田中会長
当時はインプラント治療自体についても、一部では賛否の議論がありましたが、現在では、インプラント治療は予知性の高い、優れた治療法として広く認知されています。
その中で、私共では超高齢社会に向け少数のインプラントで優れた効果をもたらすインプラントの磁性アタッチメント応用の追求に努めています。
現在は定例会のような活動はしていませんが、メールやFAXなどでの情報交換や郵便による情報提供をおこなっております。
また、MACS研究会とは別に磁性アタッチメントを中心としたインプラントオーバーデンチャー臨床応用セミナーも開催しています(問合せ:メディカルトラストTEL 042-589-4043)。
インプラント適応症を大幅に広げる磁性アタッチメントの利用に、多くの臨床家の方々に興味を示していただいております。
また、来年には「インプラント磁性アタッチメント学術大会(仮称)」の開催を企画しております。
会員を中心とした臨床応用の発表の場にするとともに、磁性アタッチメントをより普及させるための大会としたく思っておりますので、磁性アタッチメントにご興味のある方は是非とも参加して下されば幸いです。
―会員はどのような構成ですか?
田中会長
年齢層は幅広く、全国に会員がいます。
大半が開業医ですが、勤務医のほか歯科技工士もいます。
インプラントへの磁性アタッチメントの応用に興味ある方でしたらどなたでも入会できます。
(入会金、年会費は共にありません。www.macssystem.jp参照)
―マグネットデンチャーとは?
田中会長
バネで維持する従来の入れ歯と違って、磁石の磁力で吸着させる入れ歯です。
入れ歯にハイテク磁石を取り付け、支台にキーパーという磁石に吸着するパーツを取り付けます。
その吸着力で入れ歯を維持するため、よく噛める入れ歯になります。
市民向けに「入れ歯でアンチエイジング!注目のインプラント&マグネットデンチャー(磁石式入れ歯)」という本を現代書林より出版し、その中でも詳しく紹介したておりますが、バネを使わないので、みためによいだけでなく、歯にやさしく、取り扱いもとってもラクです。
―マグネットデンチャーで使用する磁石とは、どのようなものでしょうか?
田中会長
日本の最先端技術によって開発された、超小型で高性能な磁石が使用されております。大きさは米粒より小さく、中には800g以上の強力な吸引力を持つものもあります。
また、海外のマグネットは支台にもマグネットを使っているものが多く、そのために大きさも大きく、吸引力、耐久性が劣るものが多いのですが、日本で開発されたハイテク磁石はコンピュータで精密に設計された磁気回路と、最新のマイクロレーザーを使用することにより強い吸引力だけでなく、優れた安全性と耐久性を持つハイテク磁石です。
―マグネットデンチャーの利点はどんな事がありますか?
田中会長
磁石は優れた吸着力を持っていますが、歯に悪い横からの無理な力がかかると自然と逃げてくれるので、歯根にとてもやさしいです。
また、みために悪いバネがありませんから自然で若々しい口元になります。
これはマグネットデンチャーの優れたアンチエイジング効果の一つです。
そして「支台の保護(優しさ)」「審美補綴(美しさ)」「義歯のバリアフリー(使いやすさ)」の大きく3つの利点があげられます。
バネがないので残っている歯には負担がかからず、そして、入れ歯の取り付けや取り外しがラクで、シンプルな形で入れ歯の手入れも簡単です。
手の不自由な方や高齢者の方々や介護者の方にも喜ばれる、人にやさしい入れ歯で、ユニバーサルデザインを重視した設計であるユニバーサルサポートに最適な入れ歯とも考えております。
―歯が1本も無い人にはどのような治療法が有るのですか?
田中会長
従来のマグネットデンチャーでは歯根も含めて歯が1本も無い人には対応できませんでした。
そこで天然歯の変わりにインプラントを土台にし、マグネットデンチャーとしたものが「インプラント・マグネットデンチャー」です。
これは総入れ歯だけでなく部分入れ歯にも応用することで審美性に優れ、残っている歯に負担をかけないという効果をもたらします。
―インプラント・マグネットデンチャーの利点は?
田中会長
「埋入方向および位置に制限が少ない」「天然歯との併用が容易」「咬合支持の改善への応用が簡便」など優れた利点が挙げられ、少数のインプラントで高い効果を得ることができます。
そして、多数欠損へのインプラント応用も容易になるためインプラント臨床の適応症を大幅に広げることができます。
超高齢化社会を向かえ、QOLの向上という意味を含め、まさに時代のニーズに即した治療方法の一つと言えるでしょう。
―今後の目標について
田中会長
超高齢社会を迎えて、2025年には3人に1人が65歳以上になるとまでいわれております。
このような背景の中、QOLを向上させ健康長寿を延ばすためにも口腔の健康の重要性が再認識されてきております。
そして、欠損のある患者にとっては、残存歯の保全にも有用で咀嚼改善に優れるインプラントは優れた治療といえます。
しかし、多数歯欠損においては、外科的侵襲や経済面から多数のインプラントは高齢者にとって躊躇することも臨床上多くみられます。
その点インプラント・マグネットデンチャーは、少数のインプラントで高い効果があるため注目され広く普及してきております。
MACS研究会としても今後もこのような優れたインプラント・マグネットデンチャーをより追求していきたく思います。
そして、超高齢化が他に類をみないほど急速に進んでいるわが国において、インプラント・マグネットデンチャーが正しく普及し健康長寿にも寄与し、ひいては世界に向けて発信できるようなプロトコルを確立させることに貢献できればと思っております。









