22010年の出生数107万1千人に対し、死亡数は119万4千人となり日本の人口は、1年で12万3千人減少しました。
ドラッカー著「イノベーションと起業家精神」によれば上記のような人口構造の変化は産業や市場に大きな変化をもたらすと同時に、イノベーションの機会であるとしています。
例えば、19世紀に起こったヨーロッパから南北アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドへの大量移民は、世界の経済地図と政治地図を大きく塗り替えることとなり、それまでヨーロッパで支配的な地位にあったロスチャイルド家は、この変化を無視したために(貧乏人が国を脱出したといしかみていなかった)没落し、代わりに台頭したのはア
メリカに銀行を作ったJPモルガンだったのです。
今、起こっているのはまさに19世紀の大量移民と同じような人口構造の変化の時代がいきているのです。
では、歯科界にしぼって考えてみましょう。
1 小児患者が減る傾向にある
2 高齢者の患者が増える
3 スタッフにパート労働者が増える
4 女性歯科医が増える
5 勤務医が増える
こうした考えられる構造の変化は確実にやってきます。この変化を機会として捉えるのか、それとも旧態依然たる経営でしのぐのかは、皆さんの考え方次第といえます。
つまり、漫然たる経営をしていたのではこうした変化を知っているにもかかわらず、手をこまねいて見ているしかない状況に陥ってしまいます。
何故ならば、大事な顧客のニーズあるいは価値観の変化はこのような必ず予測できる人口構造の変化に大きく影響されるからです。ここでいう顧客とは単に患者さんだけではなく、医院で働くスタッフも含みます。では、どうのようにしてこのような変化に対応したら良いのでしょうか?
一つは、現場に行き、現場を見ることです。つまり時代の空気を感じることからはじめるべきです。米国のシティーバンクの成長は、主として意欲に燃える若い女性の社会進出をいち早く認識したことによるものでした。当時アメリカの大企業のほとんどはそれらの女性の存在を「問題」として捉えていました。しかし、大企業の中でもシティーバンクだけは、彼女達の出現こそイノベーションの機会であると見て、積極的に採用し、各地の貸し付け担当者として配置し、大きな成功を収め、全米の銀行の中でも主導的な地位の銀行となったのです。
現在の歯科医院では、女性歯科医が増えるにもかかわらず積極的に採用する傾向は少ないように見受けられます。これには、結婚や出産といった女性特有の条件により労働力としての継続性に問題があるということは明白です。しかしながら、逆に言えばそうした特有の条件を逆手にとって、ベビーシッターをおいたり、出産後の再教育システムを作ったり、短時間労働を可能にする勤務態勢を作ったり、処置内容そのものを女性が得意な分野に絞ったりすることで、多くの女性歯科医を通常より安いコストで勤務してもらうような仕組みを作ることも可能なハズです。
要は、起こりつつある変化や必然性を「問題」として捉えるのではなく、「機会」として捉えることにあるのです。




