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渡辺 慶明
株式会社インサイト代表取締役。慶應義塾大学法学部卒。趣味はフライフィッシング。
九州出身。

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2011年2 月15日 (火)

歯科医院の生産性

生産性向上とはなんであろうか?


それは、インプットに対しどれだけ多くのアウトプットを出すかということにほかなりません。
では、医院におけるインプットとアウトプットは何か。


【インプット】→人材(ヒト)、医院設備(モノ)、資金(カネ)。【アウトプット】→サービス、医療技術。
と位置づけられる。


医院における生産性向上は定量的なインプットに対し、アウトプットをいかに高めるかにかかっている。
では、どうしたらアウトプットを高められるのだろうか?

医療サービスは他のサービス業に比較し最も高度なサービスと言われている。

それは、サービスをマニュアル等で定量化できないからである。最近よく聞く米国の社会学者であるP.F.ドラッカーもその論文 The New Productivity Challenge (ハーバードビジネスレビュー1991-12月号)の中で「求められる第2の生産革命」と題して次のように述べている。

今日、必要とされている知識労働とサービス労働の生産性の革命は必ずもたらされるが、ひとつだけ条件がある。
それは、マネイジメントの側が、知識労働やサービス労働を行っている人たちとパートナーになることである。
必要なことは仕事の水準、難易、技能のいかんにかかわりなく、あらゆる知識労働とサービス労働に、生産性と成果に対する責任を組み込むことである。

これは、21世紀に生き残る医院像を暗示していると思う。
つまり、院内にいかに生産性と成果に対する責任を組み込む仕組みを育てるかが重要であり、それを実現できなければ労働集約的高コスト経営から脱却できず、将来的に生き残れないことを示している。
一例を挙げよう。マクドナルドでは、ハンバーガーを食べにきた人にどの店でも「おなじ味を、おなじ時間で、おなじ価格で提供できるサービス」を目標としている。

このために高度なマニュアル化を行い、入社歴の浅いアルバイトでも同様のサービスを提供できるよう教育をし、設備を投資している。
しかし、ここで考えなければならないのは、マクドナルドに来る人は等しくハンバーガーを食べたいと思っている人であり、扱っているモノは食材であると言うことだ。(つまり、昔ながらの工学的手法、すなわち作業の分析と統合によって生産性の向上をはかることができる仕事)


これに対し、医院では歯が痛くて来院する人もいれば、入れ歯の調子が悪い人もいれば、歯を白くしたい人もいる。つまり、口腔内に関することすべてが対象となる。

しかも、扱うのは生体であり、一定の品質などあり得ない。

そこで、最も高い生産性の向上を得るためには、現場に携わるスタッフが自ら考え、患者さんが求めるサービスを最も適切に提供すること以外ないのである。

そのために、スタッフが自分達で計画し、決めたことを自分たちで実行した時に初めて、その結果に責任をとろうという気持ちがわいてくるような仕組み(経営環境的培地)を作ることが、最も大切なことになるのである。


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