広告をする前に行うこと
<症状>
山田デンタルクリニックの院長は、最近どうも患者さんが減っている気がするので、1日の来院患者数をチェックしてみた。
すると、3年前とほとんど変わっておらず、相変わらず、1日30名程度が来院している。
そこで、院長はスタッフに指示して1ケ月ごとの新規来院患者数をエクセルに入力させ、グラフを作らせてみた。
3年前は平均で1ケ月に43人程度来ていた新患が今年は、21人と半減してしまっている。
どうも患者さんが減っているという院長のカンは「新患が半減している」という事実を表していたのだった。
そこで、院長は新しい患者さんに来てもらうために、広告を出そうと思う。広告を出す前に注意しておくことは、なんだろうか?
<処方箋>
この、命題に関して最初に考えなければならないのは、「今まで、どういう理由でどの地域から山田デンタルクリニックに新患が来ていたのか」を分析することです。
コンサルティングをしてみると、以外にこの点に関して明確な回答ができる院長は少ない。
なんとなく「あのあたりから来ていると思う」「治療回数が少ないのが気に入られているのではないか?」といった漠然としたイメージしか持っていません。
そこで、2つの分析を行ってみる。
1つは、新規の患者さんがどの地域から来ているのかを把握する「実来院ドットマッピング」分析、もうひとつは「患者アンケート」分析です。
患者さんがどこから来ているかという「実来院ドットマッピング」分析は、山田デンタルクリニックの診療圏を広げることによって、新規の患者さんを呼び込む【診療圏拡大】戦術をとるためです。
山田デンタルクリニックは開業後すでに7年を経過しており、自院の診療圏内の新規患者が飽和状態と考えられる
場合には、非常に有効な手段となります。
ただ、実際には本来診療圏と思っていた地域から来院がなく、診療圏外と思っていた地域から来院があったりするから、きちんと分析する必要があります。
次に、患者アンケート分析だが、自分の医院は他の医院と比較して何が強みなのかを把握することで、上記の診療圏拡大戦略において、何を患者さんにアピールしていくかを決めることができます。
また、このアンケートを機会にスタッフのモチベーション改善にもなるから一石二鳥です。
したがって、むやみに広告宣伝をするのではなく、自分の医院の置かれた状況 (マーケティングではポジショニングと呼ぶ) をはっきりさせることから始めましょう。
そして、配る地域が決まったら、その地域から来院している患者さんに参集してもらい、配布説明会を行ったうえで、広告ツール(パンフレット・チラシ・ノベルティーグッズ)を、その地域のお知り合いに配ってもらいます。
やり方は、「お知り合いの方への案内してください」と言って、相当数をお渡しする。
なぜ、そんなに面倒くさい方法をとるかというと、法律で医療広告規制があり、医療機関は不特定多数の人に広告することはできないからです。しかし、患者さんがお知り合いの方へ広告ツールを配ることは、「不特定多数への広告」にあたらないので医療広告規制にひっかかることはありません。
医療法では、特定性(どの医院かわかる)、誘因性(来院をうながしている)、認知性(不特定多数が知りえる状態にあること)の3つが成立すると「広告」と判断しています。
もちろん、参集していただいた患者さんには、いくばくかのお礼をお渡しします。
この広告戦術では、事前に参集した患者さんに何のために広告するのかということや、自分の医院がどのようなものを目指しているかを説明することがポイントになります。
こうすることで、広告ツールとあわせて、配布する患者から「クチコミ」が伝わるからです。





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