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渡辺 慶明
株式会社インサイト代表取締役。慶應義塾大学法学部卒。趣味はフライフィッシング。
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2010年6 月16日 (水)

居抜きの物件を買おうと思ったら

<症状>


今年、40歳を迎えた森田先生は、そろそろ開業しようと休日ごとに、新規開

業のセミナーに通っている。ある日、勤務先の出入りの材料業者から、医療法

人○○会がもっている分院が売りに出ているのでかわないか?との話があった。


森田先生は、新規開業の候補地もなかなか見つからないし、資金もあまりかけ

ずにやれそうだからと、契約に踏み切ろうとしているが、どうしたらよいだろ

うか?


<処方箋>


最近は医院の乱立により、居ぬき物件の売却も増えてきている。この傾向は、

今後も続くと考えられる。


そもそも居抜きになる理由としては


1)院長が病気もしくは不幸にも亡くなった

2)法人経営で分院長がみつからない

3)経営不振による廃業

4)歯科医院以外の事業に失敗した


の4つのケースに集約できます。


また、居抜きを買う側の理由を考えてみると

1)分院展開による早期立ち上げを狙う

2)低コスト開業を望む新規開業


の2つが主な理由となっている。


居抜き物件の取引では、医院の売却理由が上記の4つのうちのどれなのか、ま

た買収金額がいくらなのか?が判断基準になると思う。


医院を売る理由からみてみると、3)の経営不振による廃業は、買わないほう

が良い。


もちろん、経営不振の理由が明確であって、それに対し確実な改善策が見つか

っている場合は問題がないが、私の経験では多くの場合、立地条件が悪すぎる

ものが多いので、手を出すべきではないと思う。


次に、1)のケースでも、それまでの院長が高齢の場合には、見送った方が良

いと思う。


それは、前の院長が高齢の場合、患者さんの年齢も前院長と同様に高齢である

と同時に、密着度が強く、新しい先生になったとたんに来院しなくなるケース

が多いからだ。


逆に、前院長が若い場合には、有望な物件となり得るが、残された家族の生活

もあるので居抜き物件価格が高くなることは想定できます。


2)の分院長がみつからないという居抜き物件の特徴は、だいたいが郊外にあ

る場合が多い。


つまり、田舎にあるので分院長のなり手がいないために、継続不能になった居

抜き物件ということだ。


これは、やり方によっては非常に有望な物件になる可能性がある。というのも

この手の居抜き物件についている患者さんは、歯科医師についているのではな

く物件についていると考えられるからだ。


というのも、分院の場合歯科医師が頻繁に変わることも多く、患者さんもそれ

になれてしまっている可能性が高い。そこに、逆に骨をうずめる覚悟できた歯

科医師がいれば、当然患者さんも増えていくということになるからだ。


最後に、4)のケースだが、この居抜き物件の判断は結構難しい。歯科医業以

外の事業で破綻したとなれば、それなりの医業収入を上げていた医院であると

も考えられるし、一方、他の事業で資金がいるので、荒れた診療をしていた可

能性もあるので、十分注意して判断しよう。



いずれにしても、居抜き物件なった理由や、医業収入、アポイント状況、自費

収入などの情報を公開してくれない物件には手を出すべきではない。


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