<症状>
森山歯科クリニックは、開業して3年目。順調に患者さんも増えてきた。
ただ、最近同じ市内で2件の医院が開業したため、今年に入って新患数が減っ
てきている。そこで、スタッフと相談してパンフレットを作成することにした
が、どのようなものを作ったら良いのだろうか?
<処方箋>
歯科医院でパンフレットを作成する意味は2種類ある。ひとつは医院案内用の
パンフレット、もう一つは自費導入用のパンフレットです。
ただ、どちらにしても抑えなければならないポイントがあります。
■医院案内パンフレット
医院案内パンフレットは、開業時に作成する場合が多いとは思うが、次のこと
に留意して作成すると良い。
1) 医院理念
2) 院長の顔写真と経歴
3) 診療案内
4) 地図と電話番号
です。1)の医院理念は、必ず入れたほうが良い。理念というと難しく感じて
しまうが、 何の目的でその医院が存在するのか?どのような考えで診療する
のか?そのために、重視していることは何なのか?を箇条書きにしてまとめて
もらえばよい。
つまり、自分の医院の治療に対する考え方や、方針が明確になっていればよい。
ただ、注意する必要があるのは、理念に掲げたことが、実際に医院で実行され
ていないと、患者さんから不信感を持たれる原因になるので、無理してできな
いことや、やろうと思っていないのにカッコ良い言葉を書き連ねることだけは
避けたほうが良い。
また、2)の顔写真と経歴が必要なのは、パンフレットを見た人に安心感を持
ってもらうためだ。
もともと、パンフレットは新規患者の来院を促すのが目的であって、医院に来
院したことのない人に手渡すことを前提にしている。つまり、他の医院に通っ
たことのある(あるいは通っている)患者さんを転院させるためのツールです。
そのツールに顔写真と経歴が載っていると、通院する前から心理的な抵抗感が
低くなり、逆に安心感が生まれるから、必ず載せるようにしよう。
3)の診療案内は設備と診療内容とから構成される。特に、予防やインプラン
ト、審美、口臭予防などいわゆる診療科目ではなく、医院の特徴を現す診療を
アピールする。
また、4)地図と電話番号は、分かりやすく一目で患者さんが判断できるよう
な工夫をする。中には、デザインを重視しているものも見受けられるが、デザ
インの良さが良い医院につながるわけではなので、シンプルなほうが良いだろ
う。
■自費導入用パンフレット
自費診療を手がける際には、パンフレットをぜひ作りたい。なぜなら多くの患
者さんが、
1) 自費補綴の種類がわからない
2) 自費補綴の価格と品質がわからない
3) 自費補綴の保証内容がわからない
という不満を持っているからだ。確かに、多くの医院では、チェアサイドで患
者さんに上記のことを説明しているとは思う。
しかし、患者さんはチェアに座っている「まな板の鯉」状態では、意思決定で
きない場合が多いのだ。
そこで、「1日考えさせてください」とか「女房に相談してから」という返事
になってしまう。
その際に、自費パンフレットは患者さんが意思決定をする際のプッシュになる。
それと、もう一つ留意してほしいのはパンフレット作成時に必ず3種類のサー
ビス比較が出来るようにすることだ。
例えば、
保険の硬質レジン(自己負担金と合わせて総額も表示)、 エステニアのような
ハイブリッド硬質レジン、メタルボンドといったようにする。
こうすると、日本人の顧客心理として、中間価格帯のハイブリッド硬質レジン
を選ぶことが多くなるのが統計的に証明されている。
これは、2種類の比較だと値段の比較のみになるが、3 種類になることによっ
て価値の比較も入り、平均的な商品を選ぼうとする傾向にあるからです。
たかが、パンフレットと思われる方もいるだろうが、実は増患に影響している
ことをお忘れなく。