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渡辺 慶明
株式会社インサイト代表取締役。慶應義塾大学法学部卒。趣味はフライフィッシング。
九州出身。

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2010年3 月15日 (月)

■やむなく医院を譲渡するなら

<症状>


30歳で開業してから25年経った東歯科医院の医業収入は36,000千円

で、申告所得は約10,000千円の中規模医院です。


院長は55歳で、半年前から腰痛がひどくなり、この秋から長期間の入院をし

なければならなくなった。


この間、代診を入れて、診療を継続することができないか考えていたが、ある

程度の資産や積み立て保険あるので、思い切って、医院を譲渡しようと考え

ている。さて、どのように譲渡したらよいのだろうか?


<処方箋>


医院の譲渡にあたっては

1)譲渡金額をいくらにするか

2)譲渡先をどうやって探すか

3)テナントオーナに譲渡を承諾してもらう

 の3段階を経なければならない。


譲渡が可能な物件としては、現在の医院に相応の患者数があって、医業収入が

上がっていることが条件になる。


今回のケースでは、院長がまだ若く、医業収入も全国平均以上なので、譲渡や

貸し出しを魅力的に感じる若手の歯科医師はいると考えられる。


そこで、考えなければならないのは、譲渡の場合医院をいくらで譲渡するのか

ということになる。


いくらで譲渡するかは、医院を売りたい人と買いたい人との相対になるのが基

本だ。そこで、売る側としては、譲渡する医院がいかに魅力的ですかを分かり

やすく買いたい人に伝える必要がある。


そこで、プレゼン資料をしっかり用意する。最低限必要なのは過去3年間の税

務申告書、決算書だ。そのほかレセプト枚数、実来院数、アポイント数、月間

保険点数、自費金額の月別推移表を作成しよう。


こうすることで、買いたい人の意思決定が早まるし、売ったあとに問題が発生

することも少ない。


また、譲渡の金額だが相場としては医院の資産価格+月間医業収入の3ケ月か

ら6ケ月分くらいではないだろうか?


したがって、上記のケースでは、25年経っているのでユニットやレントゲン

をそのまま使用していたとすると資産価値はゼロで、年間医業収入が36,0

00千円だから、9,000千円から18,000千円の間ということになる。


医院が新しい場合には、必ず医院内に残る譲渡機器のリストを作成し、譲渡す

る資産価値を明確にすることが重要だ。


さらに、この譲渡機器リストを作成することで、譲渡時のトラブルを回避でき

ます。実際に、契約時にはあった器材が譲渡時にはなくなってしまい、最終的

に譲渡がながれてしまった例もある。


次に、譲渡先をどうやって探すかということだが、これは専門の業者に任せた

方が良い。


もちろん、歯科医師間で譲渡できれば越したことはないが、買いたい人とめぐ

りあうこと自体が難しいといわざるを得ない。


さらに、譲渡にあたっては保証金や賃料、契約にある退出時の現状復帰が継承

されることを事前に文書でテナントオーナーに必ず了承してもらわないと、あ

らたな賃貸契約を結べず破談になってしまうケースもあるから注意が必要だ。


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