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渡辺 慶明
株式会社インサイト代表取締役。慶應義塾大学法学部卒。趣味はフライフィッシング。
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2009年9 月16日 (水)

■予約通り診療がはじまらないので、患者さんが激怒したら

<症状> 

有数のオフィス街に医院を構える渡辺デンタルクリニックは、社保の本人がほとんどで、患者さんは転勤等によって3年に1度大きく入れ替わるといった特徴をもつ医院です。 

毎年3月は患者さんが増え、予約も取りづらい状況になっています。
 

そんな中、普段はおとなしく、3年も通ってきている常連の患者さんが、「予約をとって来ているのに、なぜ時間通り診療を始めてくれないのか!ふざけるな!」と激怒してしまい、待合室が騒然となってしまいました。 

そんな時、医院としてはどう対応したらよいのでしょうか? 

<処方箋> 

この渡辺デンタルクリニックにかかわらず、都心部の歯科医院においては、予約時間を守ることは必須です。 

なぜなら、患者さんの多くはビジネスマンやOLで、彼らは時間に対しお金を払っているといっても過言ではありません。つまり、一般の人に比べ、自分の時間を犠牲にして歯科医院に来ているという意識があります。 

上記のケースでは、普段はおとなしい患者さんが激怒したということですからよほどのことだと思います。 

患者さんにお詫びするのは当たり前ですが、医院の仕組みとしての改善をしないと、この医院は非常に危険な状態になります。
 
なぜなら、怒鳴った患者さんにかかわらず多くの患者さんが同様の思いを抱いているからです。『サービス・マネジメント』(カール・アルブレヒト、ロン・ゼンケ共著)によると『不満を持っている顧客のうち苦情を言うのは4%にすぎない、残り9
6%はただ怒って二度とこないだけ』と言っています。 

つまり、怒鳴った患者さんはクレームを言ってくれる4%の患者さんのうちの一人なのです。また、このことをハインリッヒの法則にあてはまれば、同じ深刻なクレームを持っている人は29人、軽い不満を含めると300人に上ることになります。 

 
そこで、医院内にクレームに対する仕組みを導入します。 

第一に、院長とスタッフを含めた全体で時間に関する精緻さを持つことです。次に、予定時間に対しての進捗度を全員が共有するようにします。 
 
たとえば、予定時間の2分前には治療中の院長に対して、サインを送るなどします。私のコンサル先の医院では、赤と黄色の小さなカードを用意し、院長にわかるように見せるようにしています。
 

また、どうしても時間が遅れそうな場合には、事前に患者さんに了解を取るようにしています。 

また、医院内の時間をずらしてしまうやり方もあります。つまり、待合室の時計は正確にしておき、医院内の時計は5分進めてしまうのです。たった、これだけでかなり予約時間を守ることができるようになります。
 

いずれにしても、時間という概念を院内に根付かせることは、患者さんのキャンセルを防止することにもつながります。
 

そして、医院の時間を大切にするように、患者さんの時間も大切にしてあげるようにこころがけてください。


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