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渡辺 慶明
株式会社インサイト代表取締役。慶應義塾大学法学部卒。趣味はフライフィッシング。
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2009年2 月28日 (土)

●感情経済学⇒選好の逆転

私たちは、ものを選択する際に思いがけない選択をしてしまうことある。

たとえば次のケースでは、あなたはどちらのくじ選ぶだろうか?
A 賞金は低い(7千円)が、もらえる確立は80%と高いくじ
B 賞金は比較的高い(7万円)がもらえる確率は10%と低いくじ

多くの人(67%)は、Aのくじを選ぶ

それでは、Aの質問とBの質問に金額を加えてみよう。
このくじを買うとしたら、どちらの方に高い値段をつけますか?

今度は、多くの人(71%)がBのくじに高い値段をつけました。(たとえば、Aを300円で買えるくじとしたら、Bのくじを3千円で買うと決めた)

この実験は、オレゴン州立決定研究所の研究者が実際にお金と人を使ってラスベガスのカジノで行った一連の実験によって明らかになった。

分かったことは、くじにつけた購入(見積り)価格は賞金額に高い相関関係があり、どちらにするかの選択は勝算の確率に高い相関関係をもつということが判明したのです。

つまり、物事を選ぶ際、何らかの基準で好みの順序(選好)が決定されるのが当たり前なのに、この基準が変わると好みに対する一貫性を保つことができず好みの順序が突如変わってしまう現象が起きるのです。

これを、「選好の逆転」といいます。

一般的な経済学では「人の嗜好や好みは一定で変化しない」と捉えていますが行動経済学では、「目先の利益に左右され、将来の大きな利益に目がいかない」ことが起こりうるとし、このことを「選好の時間的な逆転」または「時間的非整合性」と呼んでいるのです。

特に、選択肢が多いほど目移りする可能性が高くなります。

魚が大好きで、普段の昼食はいつも「焼き魚定食」と決めているのに、「今日のランチメニュー」を見て、思わず「しょうが焼き定食」を頼んでしまうようなことは良くある話ですよね。

歯科医院においては、値段の安いものを好む人であっても、説明時の環境やプレゼンテーションの仕方によって、自費を選ぶことも十分あることを示唆していると言ってよいだろう。


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