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渡辺

渡辺 慶明
株式会社インサイト代表取締役。慶應義塾大学法学部卒。趣味はフライフィッシング。
九州出身。

コンセプト

日々の歯科医院経営についての雑記。そして、開業に関するとっておきの情報をお伝えします。

今日の歯科ニュース

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歯科医院の処方箋

2010年7 月15日 (木)

新人採用後に、既存スタッフが反発したら

<症状>

中島歯科は常勤の衛生士1名、歯科助手2名の体制で診療をしていた。最近患者さんが増えてきたので、歯科助手の新人をもう1名採用することにした。ただ、良い子が来るか分からなかったので、休みの日に院長だけで面接をした。幸いなことに、新卒で未経験ではあるが感じの良い人がいたので早速採用することにした。しかし、しばらくすると今までいたスタッフが話しがあるといってきた。話を聞いてみると、「なぜ、あんな人を採用したのか」と猛反発している。さて、どうしたらよいのだろうか?

 

<処方箋>

このケースでは、スタッフがなぜ反発をしたのが焦点になる。もちろん、採用した新卒が社会人としての常識に欠けているためかもしれない。しかし、このような反発の仕方は採用に自分たちがかかわっていないために、採用したのは良いが、自分たちの仕事が余計に増えてしまうという感情から発している場合が多い。つまり、「院長が勝手に採用しておいて、教育だけ自分たちに押しつけないでください」と言っているのだ。

 

こうした反発を招かないようにするためには、次のようにして採用をすすめていけばよい。

 

1)現在の医院の状況をスタッフ全員で話し合って、どんなスタッフが必要かを話しあっておく

2)募集広告をスタッフにみせる

3)1次面接を通過した募集者をスタッフ全員に面接させる

4)採用後の教育体制をあらかじめ決めておく

 

1)は、医院に必要なスキル・人材がどんなものですかをスタッフに対し、明確にすることです。

こうすることによって、どんな人材が医院に入ってくるのかをあらかじめスタッフ全員が想像することができるようになり、不安感が払拭される。


2)の募集広告をスタッフにみせる理由は、募集広告にのっている給与、勤務形態、勤務時間が公平に取り扱われていることをあらかじめスタッフに知らせる意味合いがある。この募集広告をあらかじめ見せないで、スタッフが何かの拍子に手に入れて、給与や勤務形態が自分たちと大きく違っていると院内が混乱する原因にもなってしまうので、十分注意が必要だ。


3)のスタッフ全員の面接するのは、2つの意味合いがあります。1つは、スタッフとだけ面接することで、募集者の本音が聞けることです。女性同士ですこともあり、実は夜はキャバクラでバイトしているといった面接では言わなかった情報も入ってくる。もう一つは、スタッフが面接を通して自分たちと肌が合うかを確認できるということ。歯科医院の場合は、小さな空間で、長い時間を過ごすために、肌の合う合わないは結構影響するのだ。


そして、4)の教育体制については、必ず責任者を決めるようにする。特に新卒の場合、いろんなスタッフが教育すると自分と話しやすいスタッフの言うことしか聞かなくなってしまう。また、教育担当者を決めることで担当者が教育のためのマニュアルを作成する機会にもなるので、ぜひ実践してもらいたい。ただ、通常の業務以外の負荷がかかるので、教育担当者の通常業務を減らす工夫も必要になる。


2010年7 月 6日 (火)

スタッフを辞めさせたいと思ったら


<症状>

とみた歯科は開業2年目になるが、患者数もようやく1日25人程度になった

ので、半年前に歯科助手(19歳)を1名採用し、人員を増やした。


この歯科助手のA子さんは、見た目はとても穏やかな感じで、患者ウケは良い

のだが、アポイントの書き忘れ、現金収受の誤りなどが頻発したので院長が叱

ったところ、院長に対し日常的に反抗的な態度が多くなり、周りのスタッフも

A子さんに気をつかわなくてはならず、非常に疲れると院長に訴えてきた。


院長としては、残念だがこのままA子さんと仕事をするのは難しいと判断し

辞めてもらおうと思っている。では、どのようにすればよいのだろうか?


<処方箋>

よくあるのは院長がA子さんに対して不満がつのるあまり、自分に都合よく解

雇、つまりA子さんを自己都合退職に持ち込もうとする場合です。


確かに、自己都合退職であれば何の問題も生じない、しかし今回のケースでは

明らかに事業主側が解雇したいわけだから、そのような姑息な手段はやめて、

正々堂々と解雇をするべきです。


解雇をするためには、まず就業規則がきちんと整備されているかどうかがポイ

ントになります。


解雇に関する就業規則内の規定としては、


1)服務規程

2)解雇規定 

3)懲戒解雇規定 

4)損害賠償規定


がそれにあたる。


今回のケースでは、医院側からやめるように勧告をするので30日前の予告ま

たは30日分の解雇予告手当の支払いが必要になります。


素直に、この勧告を受け入れればよいのですが、多くの場合はもめます。  


それは辞めさせられるスタッフからすると、なんの理由で辞めなければならな

いのかがはっきりしないのと、突然スタッフの生活基盤である収入が途絶えて

しまうからです。


本来、民法の規定によれば、期間を定めないで雇用した者に対しては、使用者、

労働者いずれからでも任意に契約を終了させることができますことになってい

ます。


つまり、労働者に退職の自由があるように、使用者側にも解雇の自由が認めら

れているわけです。


しかしながら、日本のように従来から終身雇用を前提としてきた社会にあって

は、使用者の解雇権を一方的に認めてしまうと、労働者の生活に深刻な影響を

与えてしまうことになるので、労働者保護の観点から労働基準法やその他の法

律によって使用者側の解雇権に一定の制限が加えられているのです。


また、解雇には2種類あります。


それは、普通解雇と懲戒解雇です。普通解雇の要件としては


(a)傷病などにより、業務に堪えられない

(b)勤務成績や能力が著しく不良、または著しく劣り、業務に適さない

といったものになります。


したがって、今回のケースではA子さんに(b)の内容に該当することをきちん

と説明して、納得してもらうことが必要です。


また、解雇に当たっては上の解雇理由を記載した解雇通知書を作成しし、当人

に渡すこともトラブルを避けるために、必要な手順になります。


それでも、A子さんが納得せず、労働基準監督署に駆け込んだ場合には、次回

以上で掲載する予定の「スタッフを切ったら労働基準監督署から電話きた」を

参照してください。


2010年6 月16日 (水)

居抜きの物件を買おうと思ったら

<症状>


今年、40歳を迎えた森田先生は、そろそろ開業しようと休日ごとに、新規開

業のセミナーに通っている。ある日、勤務先の出入りの材料業者から、医療法

人○○会がもっている分院が売りに出ているのでかわないか?との話があった。


森田先生は、新規開業の候補地もなかなか見つからないし、資金もあまりかけ

ずにやれそうだからと、契約に踏み切ろうとしているが、どうしたらよいだろ

うか?


<処方箋>


最近は医院の乱立により、居ぬき物件の売却も増えてきている。この傾向は、

今後も続くと考えられる。


そもそも居抜きになる理由としては


1)院長が病気もしくは不幸にも亡くなった

2)法人経営で分院長がみつからない

3)経営不振による廃業

4)歯科医院以外の事業に失敗した


の4つのケースに集約できます。


また、居抜きを買う側の理由を考えてみると

1)分院展開による早期立ち上げを狙う

2)低コスト開業を望む新規開業


の2つが主な理由となっている。


居抜き物件の取引では、医院の売却理由が上記の4つのうちのどれなのか、ま

た買収金額がいくらなのか?が判断基準になると思う。


医院を売る理由からみてみると、3)の経営不振による廃業は、買わないほう

が良い。


もちろん、経営不振の理由が明確であって、それに対し確実な改善策が見つか

っている場合は問題がないが、私の経験では多くの場合、立地条件が悪すぎる

ものが多いので、手を出すべきではないと思う。


次に、1)のケースでも、それまでの院長が高齢の場合には、見送った方が良

いと思う。


それは、前の院長が高齢の場合、患者さんの年齢も前院長と同様に高齢である

と同時に、密着度が強く、新しい先生になったとたんに来院しなくなるケース

が多いからだ。


逆に、前院長が若い場合には、有望な物件となり得るが、残された家族の生活

もあるので居抜き物件価格が高くなることは想定できます。


2)の分院長がみつからないという居抜き物件の特徴は、だいたいが郊外にあ

る場合が多い。


つまり、田舎にあるので分院長のなり手がいないために、継続不能になった居

抜き物件ということだ。


これは、やり方によっては非常に有望な物件になる可能性がある。というのも

この手の居抜き物件についている患者さんは、歯科医師についているのではな

く物件についていると考えられるからだ。


というのも、分院の場合歯科医師が頻繁に変わることも多く、患者さんもそれ

になれてしまっている可能性が高い。そこに、逆に骨をうずめる覚悟できた歯

科医師がいれば、当然患者さんも増えていくということになるからだ。


最後に、4)のケースだが、この居抜き物件の判断は結構難しい。歯科医業以

外の事業で破綻したとなれば、それなりの医業収入を上げていた医院であると

も考えられるし、一方、他の事業で資金がいるので、荒れた診療をしていた可

能性もあるので、十分注意して判断しよう。



いずれにしても、居抜き物件なった理由や、医業収入、アポイント状況、自費

収入などの情報を公開してくれない物件には手を出すべきではない。


2010年6 月 3日 (木)

近くに競合医院ができるとわかったら!

<症状>


山崎歯科医院は人口増加の著しい、ニュータウンに開業して4年目になる。人

口の増加に比例するように医院の医業収入も増加した。


しかし、ここへきて近くに新しく医院ができるのではないか?という情報が知

り合いの不動産屋さんから入ってきた。


順調に伸びてきた医院だけに、打撃をうけるのを少しでも減らしたいと院長は

考えている。さて、どうしたらよいのだろうか?



<処方箋>


最近は、毎年約2,400件の歯科医院が年間に開業している。

1ケ月に約200件、1日に約6件のペースで日本のどこかで開業している換

算だ。そしてこのペースは今後10年変わらないと推測できます。


歯科医院の開業に関して、以前は業界団体が暗然たる圧力をかけて、いわゆる

適正配置をしてきたこともあるが、最近では独占禁止法により、業界団体の圧

力等で開業を排除するのは好ましくないとして、そうした規制もなくなってき

ている。


今回のケースでは、人口増加の著しい地区ですので、当然山崎歯科の院長も競

合が出現する可能性はあると考えていたと思う。


このような場合には、いかに自院からはなれた場所に開業してもらうかがポイ

ントになるので、近くで開業しそうな土地があれば、そこに自院の看板を立て

てしまうという方法がある。


開業候補地を探している先生からすると、候補地に看板が立っているのは開業

意欲を大きくそがれてしまうものなのだ。


ただこれは、あまりにも小手先の対応であって、本来は新規開業医院に対抗で

きるだけの、患者囲い込みの方策を早期に立てるべきです。


患者さんは、新しいものには非常に興味を示す。なぜなら、新しくて綺麗だか

らだ。そこで、先方の開業に合わせ、自院を改装するのも一つの手だ。


今回のケースでは、開業4年目なので、改装にはちょっと早い気がするので、

内装ではなく外装をイメージチェンジするほうが得策だと思う。


また、新規開業前に患者アンケートを実施することも重要なことだ。というの

は、ライバルが来るのは阻止できないわけだから、自分の医院の強みと弱みが

何であるかをきちんと把握し、強みをより強くし、弱みを補うようにしていく

ことで、自院の固定ファンを囲いこむようにするわけだ。


新規開業する側は、周りの医院にすでに通っている患者さんを転院させること

に、全力を傾けるわけだから、受けてたつ方は、患者さんが離れないようにす

ることに、全力を傾けるべきであって、新規開業する先生に露骨な嫌がらせを

したり、大学ルート等で圧力をかけたり、悲観的になっている暇はないはずだ。


それよりは、これを機に、患者さんにファンになってもらう仕組みづくりに力

を注ぎ、どうどうと戦うほうが、長い目で見て医院に良い結果をもたらすと考

えよう。


2010年6 月 2日 (水)

資金繰りが悪化した時の処置

<症状>

都内の激戦区で開業して12年目の高木歯科は、ここ数年極端に患者さんが落ち込み、経営が悪化し、昨年は最後に残ったスタッフにも辞めてもらい院長一人で切り盛りしている。


それでも、家賃やその他の固定費をまかないきれない状態に陥ってしまったので、銀行への借り入れを申し込んではみたところ、昨年の決算書を見せたらにべもなく断られてしまった。


このままでは、早晩支払いが滞ってしまう可能性があるがどうしたらよいのだろうか?


<処方箋>


今回のケースのように、開業10年目くらいで、経営が悪化するのが一番厄介だ。というのも、何が問題で経営が悪化しているのか院長自身が判断できないからだ。


この様なとき、一番重要視しなければならないのは、キャッシュフローになる。キャッシュが底をつけば、倒産ということになってしまうし、経営を改善するためには、それなりの投資が必要となるので、その分を借り入れではなく、通常の医業収入(営業キャッシュフロー)からたたき出さなくてはならないからだ。

 


最悪なのは、安易にサラ金などの高利の借り入れをしてしまう場合。こうなると間違いなく倒産してしまう。では、どうしたら良いのか? 


最初に手をつけるのは、コストカットだ。固定費を削減するとともに、支払いを待ってくれる取引先に対して、支払い日の延長を依頼する。次に、定収を増やすための努力を行い、その上で収益を拡大するための投資を行い、医院を再生するという手順を踏む。


コストカットでは、第一に家計費の見直しをする必要がある。例えば、毎月かけている保険があれば、それを解約する。保険の種類にもよるが、一部解約返戻金が戻ってくる場合がある。


次に、自動車を保有しており、ローンが残っていれば車を売却し、ローンを返済する。車などなくても何とかなるものだ。


あとは、生活レベルを下げ、可能な限り現金の流出を抑える。


高木先生の場合には、生命保険を毎月10万円近くかけていたので、これを解

約し、解約返戻金約230万円を得た。保険を解約するのがもったいないと考

える人もいるだろうが、老後のことを考えるより、現状を改善することが急務

だ。


そして、材料店と技工所に対し、「締め日」を2ケ月遅れにしてもらい、これ

で、一時的ではあるが約40万円のキャッシュを生み出すことができた。


また、テナントオーナーにも頭を下げて家賃40万円を1ケ月遅れにしてもら

った。家賃を遅らすことができないと思っている人がいるが、通常賃貸契約の

際に、保証金を入れているので、事情を話せば了解してくれるはずだ。


合わせて一次的に230万+40万+40万=310万円のキャッシュフロー

を生み出すことができたのです。


次に定収を増やすため、恥をしのんで友人の医院で土日のバイトをすることに

し、月間のバイト料25万円の定収を得ることにした。


さらに、約200万円を投じて、院内の改装を行い、パンフレット(23万円)

を作成して、今まで来院してくれた患者さんに郵送(約32万円)した。


この結果、徐々に患者さんが増え、今では遅らせていた支払いは全て通常にも

どるとともに、スタッフ2名を雇って、新たに保険にも入ることが出来るよう

になった。


もちろん、この間約2年の高木先生の努力の賜物だが、最初の決断が再生を促したといっていいだろう。



2010年4 月15日 (木)

家賃交渉で固定費を削減する方法

<症状>

A歯科医院は、今から18年ほど前に東京都千代田区にある商業ビルの1階で開業した。

開業するときはバブルの真っ盛りというのもあって家賃は坪あたり 2 万 3 千円で、これが当時の賃料相場だったため、A 院長も納得して契約した。

しかし、最近は患者数もかなり落ち込み、なんとか賃料を下げたいと思っているのだが、何か良い方法はないのだろうか?

<処方箋>

バブル崩壊以降、経済環境と医業収入は低下の一途(今年は少し上がるが)をたどっているが、テナント賃料だけは従来の高い水準で継続しているのをご存じだろうか?

例えば、賃借物件の価格が1億円から3千万円に低下しても、賃料は従来どおりで下がってないのが現実だ。

値下がりした賃借物件を、今までどおりの賃料で借りていて多くの院長(借主)が、疑問に思わないのが現状なのです。

A 歯科医院は、院長がなんとか賃料値下げを交渉してもなかなかうまくいかないようですが最近は、こうした賃料値下げを専門に行う会社が出てきています。

しかも完全成功報酬型なので、値下げできなければ何の支払も生じないサービスになっている。

一般的に賃料交渉を院長本人が行おうとすれば、交渉時期は更新時などに縛られてしまうことが多いし、さらに、賃料交渉となると精神的な負担も大きく、交渉がうまく進まない場合には、オーナーとの信頼関係も保たれなくなり場合によっては退去せざるを得なくなる場合もある。

こうした点を考慮すると、外部の専門業者に委託するのが得策だ。

更新時のタイミングを考える必要もないし、交渉そのものの精神的負担もほとんどない。では、具体的な賃料交渉の過程はどのように進められるのだろうか?

 

最初に、専門の業者との間で賃料交渉に関する業務委託契約し、賃貸契約書の写しを渡します。

次に業者が賃貸料の周辺調査をおこないます。通常は、不動産鑑定士が必要なデータ収集とエリア分析を実施し、相場や周辺の状況から賃料が適性かどうか徹底的に調査します。

その上で、エリア同業種の他の物件の価格及び地価の推移を調査、交渉方法の打ち合わせをします。

そして、目標削減額を設定し、賃料交渉により先生とオーナーとのご関係が悪くなることがないように配慮しながら交渉を開始するという流れです。

その間の交渉期間はおよそ2週間から10週間で、逐次進行度合いの報告が入ります。

交渉が成立した場合には、引き下げ価格、期間等を確認の後、覚書又は賃料改定のみの契約書を作成し、新たな契約を結ぶことになります。

固定費を削減したいと思っている方は、是非一度考えてみたらどうだろうか?


2010年4 月 8日 (木)

■泥棒に入られないようにするには

<症状>

 

開業1年目の大木デンタルクリニックは、1階で商店街に面している。表はしゃれた全面ガラス張りで、一見すると美容室のようなイメージの歯科医院だ。

 

ある日、スタッフが出社すると院内が荒らされていて昨日の診療後に泥棒が入ったらしい。

 

よく見ると、裏のトイレの窓をこじ開けてられている。警察に連絡をとり、盗まれたものをチェックしたら、ノート型パソコン、両替用の窓口現金がなくなっていた。

 

被害総額は、20万円程度だが、院長はこれを機に泥棒対策をしようとしているが、さてどのようにしたらよいのだろうか?

 

<処方箋>

 

歯科医院に空き巣が入る確立は非常に高い。最近では、歯科を専門とした外国人窃盗団も現れている。

 基本的な対策としては、入られても良い状況にしておくことだ。もちろん、警備会社との契約で侵入時に警報がなる仕組みにしておくのは最低限必要だが、最近の窃盗団は警備会社が駆けつける前に仕事(?)を終えてしまうから現実には被害を防ぐことは難しい。

 

それと、同じ賊が何回も同じ医院に侵入するというケースも増えている。

 

そこで、 

 

1 窓口現金の入ったレジは、鍵をかけず札が見える状態にしておく 

 

2 ノート型パソコンは、別の場所に保管するようにする。

 

窓口のレジに、相応のお金があれば、窃盗団はそれを獲物として引き上げていく可能性が高い。

 

しかし、レジが開かないようだと、レジを壊されるばかりか、あてつけに医療機器類を壊されかねないので、そのほうが被害が甚大になる。

 

そこで、「どうぞお取り下さい」といわんばかりに、レジを開けておくのです。また、レジに入れておく金額は翌日の釣り銭分のみにし、当日の売上分は必ず夜間金庫に入れるか、院長がもちかえるようにする。こうすることで、レジ関係の被害を最小限度に抑えることが出来る。

 

また、パソコンが狙われるのは、中古として換金が簡単だからだ。

 

実際に盗まれた場合には、個人情報の漏洩のほか、医院で使用するデータが数多く入っているので、買いなおす金額よりデータ紛失による被害の方が大きくなる。できれば、自宅に持ち帰るのが一番だが、無理なら別の場所に保管するべきだ。 

いずれにしても、「泥棒には入られるもの」という前提でいなければならない。そして、被害が出たときのことを考えて必ず盗難保険または、住宅総合保険に入っておくようにしよう。

 

ただし、盗難保険だけでは、窃盗団が火をつけて逃げた場合の損害は担保されないので、ご注意を。

 

そのほか、いったん窃盗に会うと、スタッフ間に動揺が走ることを忘れてはいけない。昼食時にもスタッフ1名が電話番として医院に残るケースの医院もあるかもしれないが、そのような状況がないように配慮してあげる必要があるだろう。


2010年4 月 1日 (木)

中古医療機器を買おうと思ったら

<症状>

開業40年目を迎えた高木院長は、今年75歳。そろそろ引退を考えているのだが、自分を慕って来院してくれる患者さんがいるので、なかなかそうもいかない。

 

しかし、ユニットは導入してから20年を経過しているので、どうも調子が悪い。メーカーに修理依頼の電話すると、メンテナンス交換部品もなくなっているので、そろそろ入れ替えを考えて欲しいと言われた。しかし、引退も視野にあるので新規にユニットを買う気にもなれない。

 

ある日、歯科医師会の会合で、「先生、中古で年式の比較的新しいユニットを導入すれば良いじゃないですか」と若手の医師に言われた。「なるほど、中古なら価格も安そうだし、ちょうど良いね」。中古を買おうとする高木先生はどうすれば良いのだろうか?

<処方箋> 

高木先生のように、高齢であと何年かで引退しようとする先生にとって、中古医療機器の活用は非常に助かるはずだ。しかし、簡単に中古医療機器は手に入らない。なぜなら、2005年に薬事法が改正され、中古医療機器の流通に関し規制ができたからです。

 

この規制は、「中古医療機器を流通する際には、事前にメーカーに販売通知を出し、承諾を得、指示を遵守しなければならない」としている。実務では、中古業者が販売する際に、販売通知をメーカーに出しても、年式が古い、メンテナンス部品の供給が出来ない、耐用年数を超えているなどの理由で「販売不可」となってしまう場合がある。 

当社も中古医療機器を扱っているが、メーカーによって違いがあるものの、だいたい6年以内の商品であれば対応してくれる。ただし、その際にメーカーからの指示があればそれを遵守しなければならない。この指示は、大きく分けて「そのまま販売可」、「オーバーホールが必要」、「一部修理・交換」などの指示が出る。 

この指示に従って、中古業者は販売するわけだが、指示の内容によっては、たとえ見た目が綺麗で、年式が新しくても相応の金額を中古業者がメーカーに払わなくてはならない。そうなると、中古といえどもかなりの金額になり、「廉価」という意味がなくなってしまい、販売できない場合もあるのが実情だ。

 

また中古業者の中には、メーカーへの販売通知をせず、指示を受けることなく販売している業者もあるが、これは薬事法違反である同時に、買った先生もメーカーからメンテナンスを受けられないので要注意だ。

 

かつ、中古医療機器を取り扱うには、修理業の免許、古物商の免許が必要なので、信頼できる業者から買うことを勧める。 

 

ちなみに、歯科医師個人間の中古医療機器売買は薬事法の規制を受けないので流通は可能だが、メーカーとしては、トレーサビビリティーの観点から購入したあとの機器登録をメンテナンス継続の要件としていることころもあるので、事前にメーカーに確認したほうが無難だ。


2010年3 月29日 (月)

アルバイト賃金の上昇

日曜日の日経新聞によると、2010年2月のアルバイト時給(全国平均)が前年同月比 2.1 %高い 989 円になり、前年同月と比べて増加は3カ月連続となっている。


この時期、正社員の賃金より先にパートやアルバイトの時給が上がる理由としては、今のような景気回復の初期段階では企業が景気の先行きに自信を持てない。


そこで、最初に正社員を増やしたり、賃金を上げたりするよりは、時給を上げてパートやアルバイトの採用を増やそうとするからだ。


この影響は、歯科医院のアルバイト採用にも影響すると思われる。


特に、歯科助手に関しては、どうしても他業種との比較になりやすく、時給を上げないと、良い人材が採りにくくなると予想される。


この春に歯科助手の募集を考えている医院はこの点にも配慮する必要があるのではないだろうか?


2010年3 月15日 (月)

■やむなく医院を譲渡するなら

<症状>


30歳で開業してから25年経った東歯科医院の医業収入は36,000千円

で、申告所得は約10,000千円の中規模医院です。


院長は55歳で、半年前から腰痛がひどくなり、この秋から長期間の入院をし

なければならなくなった。


この間、代診を入れて、診療を継続することができないか考えていたが、ある

程度の資産や積み立て保険あるので、思い切って、医院を譲渡しようと考え

ている。さて、どのように譲渡したらよいのだろうか?


<処方箋>


医院の譲渡にあたっては

1)譲渡金額をいくらにするか

2)譲渡先をどうやって探すか

3)テナントオーナに譲渡を承諾してもらう

 の3段階を経なければならない。


譲渡が可能な物件としては、現在の医院に相応の患者数があって、医業収入が

上がっていることが条件になる。


今回のケースでは、院長がまだ若く、医業収入も全国平均以上なので、譲渡や

貸し出しを魅力的に感じる若手の歯科医師はいると考えられる。


そこで、考えなければならないのは、譲渡の場合医院をいくらで譲渡するのか

ということになる。


いくらで譲渡するかは、医院を売りたい人と買いたい人との相対になるのが基

本だ。そこで、売る側としては、譲渡する医院がいかに魅力的ですかを分かり

やすく買いたい人に伝える必要がある。


そこで、プレゼン資料をしっかり用意する。最低限必要なのは過去3年間の税

務申告書、決算書だ。そのほかレセプト枚数、実来院数、アポイント数、月間

保険点数、自費金額の月別推移表を作成しよう。


こうすることで、買いたい人の意思決定が早まるし、売ったあとに問題が発生

することも少ない。


また、譲渡の金額だが相場としては医院の資産価格+月間医業収入の3ケ月か

ら6ケ月分くらいではないだろうか?


したがって、上記のケースでは、25年経っているのでユニットやレントゲン

をそのまま使用していたとすると資産価値はゼロで、年間医業収入が36,0

00千円だから、9,000千円から18,000千円の間ということになる。


医院が新しい場合には、必ず医院内に残る譲渡機器のリストを作成し、譲渡す

る資産価値を明確にすることが重要だ。


さらに、この譲渡機器リストを作成することで、譲渡時のトラブルを回避でき

ます。実際に、契約時にはあった器材が譲渡時にはなくなってしまい、最終的

に譲渡がながれてしまった例もある。


次に、譲渡先をどうやって探すかということだが、これは専門の業者に任せた

方が良い。


もちろん、歯科医師間で譲渡できれば越したことはないが、買いたい人とめぐ

りあうこと自体が難しいといわざるを得ない。


さらに、譲渡にあたっては保証金や賃料、契約にある退出時の現状復帰が継承

されることを事前に文書でテナントオーナーに必ず了承してもらわないと、あ

らたな賃貸契約を結べず破談になってしまうケースもあるから注意が必要だ。